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〈「不注意な読者」をめぐって(2)――岡潔と小林秀雄の『白痴』観〉を「主な研究」の頁に掲載

文芸評論家の小林秀雄氏は、黒澤映画《白痴》が公開されてから1年後に書き始められた『白痴』論の末尾で次のように記していました。

「お終ひに、不注意な読者の為に注意して置くのもいゝだろう。ムイシュキンがラゴオジンの家に行くのは共犯者としてである。〈後略〉」。

「不注意な読者」という句を小林氏は以前から愛用していたが、拙著『黒澤明と小林秀雄――「罪と罰」をめぐる静かなる決闘』では、この表現が1951年に映画《白痴》を公開していた黒澤明監督に向けられている可能性が強いこと指摘しました。

文芸評論家の小林秀雄氏と数学者の岡潔氏との対談『人間の建設』(新潮社)からも同じような印象を受けましたので、両者の『白痴』観に絞って考察することで、小林秀雄のドストエフスキー観の問題点に迫りたいと思います。

リンク→「不注意な読者」をめぐって(2)――岡潔と小林秀雄の『白痴』観

リンク→「不注意な読者」をめぐって――黒澤明と小林秀雄の『白痴』観

リンク→小林秀雄の原子力エネルギー観と終末時計

〈「原発ビジネス」の衰退〉を転載

鈴木耕氏がツイートで、「ハフィントンポスト日本版」の記事を紹介して、こう記していました。

〈普通に考えれば、もう「原発よ、お前はすでに死んでいる」のです。〉

→「原発ビジネス」の衰退 各国で広まる原発離れ

http://www.huffingtonpost.jp/foresight/nuclear-plant-business_b_8851334.html … @HuffPostJapanさんから

 

私も全く同感です。

一時、もてはやされていた原子力エネルギーは、安全で安価な自然再生エネルギーの技術革新が進んだ現在では、すでに過去の技術となっていると思われます。

この過去の危険なエネルギーを「国策」として進めている安倍政権も、「未来志向」ではなく、「過去に依存」する政権と言えそうです。

(加筆のうえ、タイトルを変更)

〈「学者の会」アピール賛同者の皆様へ緊急のお願い 〉を掲載

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佐藤学(「安全保障関連法案に反対する学者の会」発起人・事務局代表)氏より、〈緊迫した国会情勢のもと、「学生と学者の共同行動」を大成功させましょう〉との文言と共に、今後の行動日程を記したメールが届きましたので以下に転載します。

 リンク→http://anti-security-related-bill.jp

このブログの記事でもたびたび指摘してきましたが、「この国のかたち」を決めた「憲法」をないがしろにする安倍政権の独裁的な手法は、「日本」の民主主義を根底から覆して、戦前の軍国主義的な国家体制を「復古」させることにつながるでしょう。一人でも多くのかたが「反対」の声をあげられることを願っています。

*   *   *

(1)9月6日(日)は午後3時から午後5時半、新宿伊勢丹前の歩行者天国で、「学生と学者の共同街宣行動」を行います。歩行者天国を埋め尽くしましょう。

この街宣行動では、学生と学者のスピーチの他、蓮舫民主党代表代行、志位和夫日本共産党委員長、吉田忠智社会民主党党首、二見伸明公明党元副委員長が、スピーチを行います。(他の野党は返答まち)

重要な時期の重要な街宣になるので、ぜひ、ご参加ください。当日のフライヤーを添付します。なお、雨天の場合は、歩行者天国は行われないので、新宿駅東口で街宣行動を行います。

(2)9月11日(金)は学生と学者の共同行動第3弾として、午後7時半から国会前の抗議行動を行います。こちらも、こぞって参加してください。

(3)以下のように各地方でSEALDsの行動が展開されます。地方ごとにSEALDsを支援し共に闘いましょう。

*   *   *

【SEALDs】

9/4(金) 19:30~21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動

9/6(日) 15:00~17:30 安全保障関連法案に反対する学者と学生による街宣@新宿 9/10(木) 19:30~21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動

9/11(金) 19:30~21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動

9/12(土) S4LON vol.3[この国で生きる―経済 憲法 安保法制―]第1部 15:00~ 第2部 19:00~

9/14(月)~9/18(金) 戦争法案強行採決に反対する国会前緊急抗議行動

【TOHOKU】

9/4から 毎週金曜街宣 9/5(土) SALON(詳細未定)

(9/6(日) 弁護士大集会) 9/10 緊急アピール(詳細未定)

【KANSAI】

9/4 (金) 18:30~20:00 戦争法案に反対する金曜街宣アピール@大阪梅田ヨドバシカメラ前

9/11 (金) 19:30~21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動

9/13 (日) 16:00~18:30 戦争法案に反対する関西大行動@大阪 靭公園

【RYUKYU】 9/12(土) 10:00~12:00 サロンvol.2トポセシア(沖縄県宜野湾市我如古2-12-6)

9/19(土) 「沖縄のことは沖縄で決める緊急アピール」(場所未定)

〈「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同のお願い〉を転載

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(図版は「『議場騒然、聴取不能』と記されるのみで、議事進行を促す委員長の発言も質疑打ち切り動議の提案も記されていない」「未定稿の速記録」)

 

至急!拡散・ご協力をお願いします! (締め切りは9月25日午前10時)

「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同のお願い

http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6f5b.html …

  *   *   *

「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の続行を求める申し入れ」の署名が求められていることが分かりましたので、そのサイトへのリンク先を上記にアップしました。

NHKで中継された「採決」の場面を何度見直しても成立したとは思えず、また国会からあのような光景が中継されたことに呆然として「小学校のホームルームで何かを決めるための採決でそんなことをしたら、先生に厳しくしかられるでしょう」などの記載を先日の記事で書きました。

このような形での暴力的な「採決」が国会の場で認められるならば、権力者はどのような法律でも可決することができることになる危険性があります。

立憲主義、平和主義、民主主義が危機にさらされている今、「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の続行を求める申し入れ」がなされることは、きわめて有意義だと思われます。

*   *   *

今朝(9月22日)の「東京新聞」には、この署名運動についての記事が載っていましたので、下にリンク先を追記しておきます。

リンク→安保法案 どさくさ採決は認めない 東大名誉教授ら賛同呼び掛け(朝刊)

〈「放射能の除染の難しさ」と「現実を直視する勇気」〉を「主な研究」に掲載

 

 原発事故の後も福島県に残ってこどもたちの健康を守るための「放射能測定」などの地道なボランティア活動を行っている吉野裕之氏を招いての研究会が、7月11日に日本ペンクラブの「子どもの本委員会」と「環境委員会」との共催で開催されました。

 掲載が遅れてだいぶ以前のことになってしまいましたが、今回の研究会からも多くのことを学びましたので、「主な研究」にその時の報告とその後の経過を踏まえて私の感想を記しておきます。

〈「昭和初期の別国」と『永遠の0(ゼロ)』〉関連記事一覧

司馬遼太郎氏が「昭和初期の別国」と呼んだ時代の問題点についてはこれまでいろいろと書いてきました。

ここでは『永遠の0(ゼロ)』を論じた記事を中心に、半藤氏の一利氏の「転換点」の感想を記した記事を纏めました。

戦前の戦争のための「勇ましい標語」と安倍政権の「美しいスローガン」の類似性については、別な形でまとめることにします。

 

 〈「昭和初期の別国」と『永遠の0(ゼロ)』〉関連記事一覧

「特定秘密保護法」と「オレオレ詐欺

「集団的自衛権」と「カミカゼ」

「集団的自衛権」と『永遠の0(ゼロ)』

「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(1)

『永遠の0(ゼロ)』と「尊皇攘夷思想」

「ぼく」とは誰か ――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(2)

沈黙する女性・慶子――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(3)

隠された「一億玉砕」の思想――――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(4)

小林秀雄と「一億玉砕」の思想

「戦争の批判」というたてまえ――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(5

「作品」に込められた「作者」の思想――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(6)

「作者」の強い悪意――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(7)

「議論」を拒否する小説の構造――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(8)

黒幕は誰か――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(9)

モデルとしてのアニメ映画《紅の豚》――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(10)

歪められた「司馬史観」――――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(11)

侮辱された主人公――「オレオレ詐欺」の手法と『永遠の0(ゼロ)』(12)

〈「様々な意匠」と隠された「意匠」〉を「主な研究」に掲載

先日のブログ記事では文芸評論家・小林秀雄の思想が、安倍氏のような政治家にも大きな影響を与えている可能性を指摘しました。

リンク→「戦前の無責任体系」の復活と小林秀雄氏の『罪と罰』の解釈

〈「様々な意匠」と隠された「意匠」〉と題したエッセイが『全作家』第98号に載りましたので、「主な研究(活動)」のページに掲載します。

リンク→「様々な意匠」と隠された「意匠」

〈スラヴのコスモロジー 「生命の水の泉」と「大地」のイデア〉を「主な研究」に掲載しました

 

2011年11月の比較文明学会のシンポジウムで「生命の水の泉」と「大地」のイデアと題した考察を発表しました。

このことについては「福島原発事故とチェルノブイリ原発事故」と題した3月12日のブログ記事でもふれて、標記の記事を「主な研究」に掲載していましたが、ブログの題名に記さないと見つけにくいことが分かりましたので、改めてこのブログでも題名を掲載することにします。

 

〈ハリウッド版・映画《Godzilla ゴジラ》と「安保関連法」の成立〉を「映画・演劇評」に掲載

昨年は映画《ゴジラ》が初めて公開されてから60周年ということで、原爆や原発に焦点をあてながら映画《ゴジラ》の特徴と「ゴジラシリーズ」の問題を4回にわたって考察した後で、〈映画《ゴジラ》の芹沢博士と監督の本多猪四郎の名前を組み合わせた芹沢猪四郎が活躍するアメリカ映画《Godzilla ゴジラ》は、映画《ゴジラ》の「原点」に戻ったという呼び声が高い〉ことを紹介し、下記のように結んでいました。

「残念ながら当分、この映画を見る時間的な余裕はなさそうだが、いつか機会を見て映画《ゴジラ》と比較しながら、アメリカ映画《Godzilla ゴジラ》で水爆実験や「原発事故」の問題がどのように描かれているかを考察してみたい」。

昨年は様々な事情からこの映画を観るのを控えていましたが、「安保関連法」が国会で「強行採決」された直後の9月25日夜に日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で地上波初放送されたので、「映画・演劇評」のページに感想を記すことにします。

 

映画《ゴジラ》関連の記事一覧

映画《ゴジラ》考Ⅴ――ハリウッド版・映画《Godzilla ゴジラ》と「安保関連法」の成立

映画《ゴジラ》考Ⅳ――「ゴジラシリーズ」と《ゴジラ》の「理念」の変質

映画《ゴジラ》考Ⅲ――映画《モスラ》と「反核」の理念

 映画《ゴジラ》考Ⅱ――「大自然」の怒りと「核戦争」の恐

映画《ゴジラ》考Ⅰ――映画《ジョーズ》と「事実」の隠蔽

 

〈めでたさも一茶位(くらい)や雑煮餅〉(子規)

〈めでたさも一茶位(くらい)や雑煮餅〉(子規)

今年は再び選挙がありますが、昨年の「国会運営」や報道への圧力で明らかになったように安倍政権のめざす「改憲」は、「国民」を「臣民」として戦争へと駆り立てていた「戦前の日本」への危険な後退だと思えます。

しかも、広島や長崎、そして福島の悲劇をきちんと直視しようとしない安倍政権は、原発の再稼働だけでなく、原発や武器の輸出をも積極的に推し進めているのです。

一方、ブッシュ政権による「大義なき戦争」の後で世界はむしろ混迷の度を深めていますが、このことは「核の時代」における「戦争」の危険性を鋭く指摘していた「ラッセル・アインシュタイン宣言」や「日本国憲法」の先見性を物語っていると思えます。

今年も厳しい一年になると思われますが、苦しい中でもユーモアを忘れなかった子規の精神に倣って精一杯努力したいと考えています。

本年もよろしくお願いいたします。