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ドストエフスキー

2ー24、「芸術座」の『その前夜』から黒澤映画《生きる》へ――「ゴンドラの唄」と映画《僕の村は戦場だった》をめぐって

Ⅰ. 相馬黒光と「中村屋サロン」

a.朝ドラ「なつぞら」と「中村屋」
 
b. 相馬黒光と「中村屋サロン」
c.松井須磨子の『その前夜』と「ゴンドラの唄」
 

.盲目の詩人エロシェンコと清水安三

清水安三と中国(書影は紀伊國屋書店のウェブより)

a.清水安三とトルストイ

b.盲目の詩人エロシェンコ

c.エロシェンコと日本

d.エロシェンコとアジア

e.エロシェンコと清水安三

 

Ⅲ. 『復活』の受難

a. 滝川幸辰教授の『復活』論と京大事件

b. 黒澤映画《我が青春に悔いなし》と京大事件

わが青春に悔なし No Regrets for Our Youth 1946 Opening Kurosawa …

c.「ゴンドラの唄」と黒澤映画《生きる》

3-16、『レ・ミゼラブル』ジャベールとの対決と司法取締官ポルフィーリイとの対決

Ⅰ.追い詰める者たちⅠ――ジャベールとテナルディエ夫妻

a.これまでの流れ

映画『レ・ミゼラブル』予告編 – YouTube

b.「法」の厳格な執行者としてのジャベール

(ジャヴェール警部)

c.ジャベールの絶望

d.テナルディエ夫妻とスヴィドリガイロフ

テナルディエ夫妻)

 

Ⅱ.追い詰める者たちⅡ――『罪と罰』のポルフィーリイ

a.ポルフィーリイによる「非凡人の理論」の指摘

b.「自然の法則」と「進化論」

(若き日のダーウィン、「ウィキペディア」より)

c.「進化論」と「ネオ・ダーウィニズム」

d.「非凡人の理論」と「自然の法則」

(ルイ・ナポレオンのクーデターが決行された1851年12月2日のパリの様子を描いた絵)

e.ラスコーリニコフのナポレオン観と「正義」の犯罪

 

Ⅲ.マリユスの再生

a.エポニーヌとソーニャ

エポニーヌとマリユス

On My Own – 島田歌穂Kaho Shimada – YouTube

b.暴動後に残された死体と廃墟

ABCの友

c.コゼットとの再会

d.明らかになる「秘密」

e.ジャン・ヴァルジャンの死

 

Ⅳ.ソーニャとの出会いの意味 

a.ソーニャの最初の印象

b.ラスコーリニコフとソーニャの対話

c.ラザロの「復活」の朗読

d.ラスコーリニコフに対するソーニャの反論

.ラスコーリニコフの告白と「大地」への接吻

 

Ⅴ. 二つの「民衆の歌」

a.暴動の前に歌われる唄

レ・ミゼラブル 民衆の歌 – YouTube

b.エピローグで歌われる唄

3-15、ラスコーリニコフの先行者・マリユス――「非凡人の思想」と「正義」の犯罪

Ⅰ.「司法取調官」ポルフィーリイとの3回の対決

a.ポルフィーリイとの最初の対決

b.ラスコーリニコフの工夫とポルフィーリイの対応

c.ポルフィーリイの質問の罠

 

Ⅱ.ポルフィーリイとの対決の核心――「非凡人」の思想

a.記憶にない論文

b.「非凡人の理論」と「良心」の問題

c.マリユスのナポレオン観

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(1830年の7月革命と『民衆を導く自由の女神』(ドラクロワ画)、図版は「ウィキペディア」より)

d.『ジュリアス・シーザー伝』とナポレオンの「英雄」化

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(ルイ・ナポレオンのクーデターが決行された1851年12月2日のパリの画。図版は「ウィキペディア」より)

e.ナポレオンの「英雄」化から「非凡人の理論」へ

 

Ⅱ.『レ・ミゼラブル』と『罪と罰』の登場人物の比較

a.ジャヴェール警部とポルフィーリイ

b.テナルディエ夫妻とスヴィドリガイロフ

c.テナルディエ夫妻の子供たち

エポニーヌとマリユス

On My Own – 島田歌穂Kaho Shimada – YouTube

ガヴローシュ

 

3-14、女性の地位と家庭教師という職業――樋口一葉の「十三夜」と『罪と罰』のドゥーニャ

Ⅰ.家庭小説としての『罪と罰』

a.ソーニャの境遇とラスコーリニコフの妹・ドゥーニャ

b.母からの手紙――妹の婚約と「前借り」されたお金

c.ドゥーニャをめぐる三人の男性

 

Ⅱ.樋口一葉の「にごりえ」と「十三夜」

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(写真は「ウィキペディア」より)

a.「奇跡の十四ヶ月」と『罪と罰』

b.「にごりえ」のお力とソーニャ

c.「十三夜」のお関とドゥーニャ

 

Ⅲ.家庭教師という職業(ロシアとイギリスの場合)

a.『貧しき人々』

b.チェルヌイシェフスキーと『何をなすべきか』

c.長編小説『アンナ・カレーニナ』

d.シャーロット・ブロンテと『ジェーン・エア』

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(ブランウェルによって描かれた3姉妹の肖像画。左からアン、エミリー、シャーロット。図版は「ウィキペディア」より)。

e.シャーロットの弟・ブランウェル

f.女家庭教師という職業の厳しさについて

 

3-13、『罪と罰』のソーニャと文学作品における高利貸しという職業

Ⅰ.『レ・ミゼラブル』と『罪と罰』の人物体系の比較

a. 『オリヴァー・トゥイスト』のナンシーとソーニャ

b-1.  『レ・ミゼラブル』のジャン・ヴァルジャン

b-2.  ファンティーヌとコゼット

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(ヴァルジャンに看取られ死の床に就いたファンティーヌと娘コゼット)

c-1. 『罪と罰』のラスコーリニコフ

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(ラスコーリニコフ、ボクレフスキー画。図版はロシア語版「ウィキペディア」による)

c-2. ソーニャと継母の連れ子たち

 

Ⅱ.長編小説『罪と罰』の特徴

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(『罪と罰』が連載された雑誌『ロシア報知』1866年。図版はロシア語版「ウィキペディア」による)

a.『罪と罰』の現代性

b. 『罪と罰』の冒頭の筋

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(1880年代のサンクト・ペテルブルクのセンナヤ広場。図版はロシア語版「ウィキペディア」による)

c.ロシア人の名前

d.おもな登場人物(1)

 

. 高利貸しという職業

 a.高利貸しの老婆とラスコーリニコフ

b.『ヴェニスの商人』(シェークスピア)

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c.樋口一葉の『われから』の場合

 

. 長編小説『罪と罰』とクリジャーノフ監督の映画《罪と罰》

a. ロシアの社会と映画《罪と罰》

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(映画《罪と罰》のポスター、図版はロシア語版「ウィキペディア」より)

b. 映画の冒頭のシーン

c. 二つの家族の正確な映像化

3-2、ロシアの民話と文学――プーシキンの『ルスラーンとリュドミーラ』

 Ⅰ.ギリシャ正教の受容とロシアの文化

a.ロシアの風土――プラストールという言葉

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(ロシアの地形図、「ウィキペディア」より)

b.ロシアと東ローマ帝国とのつながり

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ミュシャ画、「スラヴ叙事詩」、第17作「(ギリシャ正教の聖地)聖アトス山」(図版は「ウィキペディア」より)

c.ロシア語のアルファベットとキリル文字

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キリストを表すモノグラム(クリスモン)。

ギリシャ語X(キー)とP(ロー)、つまり大文字でXPIΣTOΣと書く最初の2文字のX とPを組み合わせたものである。(図版は「ウィキペディア」より)

d. ロシア文学と世界文学(日本文学)

*「イエスの時代とドストエフスキーの時代」

劇団四季:ジーザス・クライスト=スーパースター[エルサレム … –

 

.ロシアの民話と『ルスラーンとリュドミーラ』

Krivine : Glinka / Ruslan and Lyudmila – Duration – YouTube ▶ 5:50

近代ロシア文学の成立とプーシキン

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『アレクサンドル・プーシキンの肖像画』(キプレンスキー作、1827年、トレチャコフ美術館所蔵、画像は「ウィキペディア」より)

a. ロシアの「国民詩人」プーシキン

b. キリスト教受容以前のロシアの宗教

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(『ルスラーンとリュドミーラ』のタイトル頁。図版は「ウィキペディア」より)

c.ロシアの民話世界

*バーバ・ヤガー

バーバ。ヤガーの絵

(イヴァン・ビリビン画。図版は「ウィキペディア」より))

ムソルグスキー「鶏の脚の上に立つ小屋――バーバ・ヤガー」(ピアノ組曲『展覧会の絵』)

Mussorgsky · Baba Yaga · Dudamel – YouTube ▶ 9:24

*ルサルカ(人魚、水の妖精)

*カシチェイ王(カスチェイ王)

Firebird バレエ 火の鳥 – YouTube ▶ 9:44

Ⅳ.キリスト教の受容と『ルスラーンとリュドミーラ』

a. ウラジーミル公とキリスト教の受容

b.太陽王ウラジーミルの娘とルスラーン公の結婚式

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「グースリ演奏家たち」(ヴィクトル・ヴァスネスツォフ画、1889年。画像は「ウィキペディア」より)

c. 『ルスラーンとリュドミーラ』の「魔法昔話」的な構造

d.ファンタジーから歴史へ

3-1、序に代えて――混迷の時代と新しい価値観の模索

Ⅰ. 講義の概要

 a.講義概要

 b.到達目標

 c.授業の流れ

 

Ⅱ.イエスの時代とドストエフスキーの時代

a. イエスの時代

b.ドストエフスキーの時代

ドストエフスキーの家、モスクワ

(Здесь родился Ф. М. Достоевский. Мариинская больница для бедных,NVO – собственная работа,図版はロシア版「ウィキペディア」より)

c.方法としての文学

d.ドストエフスキーの死刑体験と『聖書』

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(セミョーノフスキー練兵場における死刑の場面、ポクロフスキー画。図版はロシア版「ウィキペディア」より)、

d.長編小説『罪と罰』におけるキリストの考察

e. 黒澤明監督の『白痴』観

 

Ⅲ.『ジーザス・クライスト・スーパースター』

 ジーザス・クライスト=スーパースター(1973) [DVD](写真は「アマゾン」より)

a.ロックミュージカルの時代背景

b.ロックミュージカルの内容 

c.映画『ジーザス・クライスト・スーパースター』

 

Ⅵ、テキスト(必要度B)

『「罪と罰」の受容と「立憲主義」の危機――北村透谷から島崎藤村へ』

(授業では毎回、資料のプリントを配布する)。

 

Ⅵ、推薦する翻訳書(必要度B)

江川卓訳『罪と罰』上中下(岩波文庫)

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Ⅶ. キーワード

自己、他者、言葉、#MeToo、戦争、平和、原爆、環境、法律、死刑、支配と服従

3-28、「罪」と「復活」というモチーフ――『罪と罰』と島崎藤村の『破戒』

リンク→3-0-1,「ロシア文学研究」のページ構成と授業概要

 

講義の流れ

Ⅰ.内田魯庵訳の『罪と罰』と北村透谷

a.『罪と罰』の訳書が初めて日本に入った時

b.長編小説の読破と翻訳の試み

c.北村透谷の評論「『罪と罰』の殺人罪」

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(北村透谷、図版は「ウィキペディア」より)

d.島崎藤村と長編小説『春』

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(島崎藤村、図版は「ウィキペディア」より)

e.内田魯庵の翻訳と二葉亭四迷

 

Ⅱ.長編小説『罪と罰』から『破戒』へ

a.長編小説『破戒』と『罪と罰』

b.差別の問題の考察と描写

c.学校制度の考察

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(映画《二十四の瞳》、壺井栄原作、木下恵介監督。1954年 松竹大船。図版は「ウィキペディア」より)

Ⅲ.『破戒』と『罪と罰』の筋と登場人物の比較

a.『破戒』の粗筋

b.二つの長編小説の登場人物の比較

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(市川雷蔵、図版は「ウィキペディア」より

c.『破戒』における人物造型の独創性

 

.  『罪と罰』と『破戒』における自然の描写

a.橋からの「パノラマ」と山の「パノラマ」の記述

b.「大地」への接吻

 

5-2,「ロシアの文学を素材にその文化について考える」(2回目)

リンク→「ロシア文学研究」のページ構成と授業概要  

講義の流れ

.  プーシキンと韻文小説『エヴゲーニイ・オネーギン』

a.ロシア人が選ぶ必読書

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(図版は池田健太郎訳『オネーギン』、岩波文庫より)

b.韻文小説

c.作者と主人公

d.プーシキンと1812年の「祖国戦争」

 

.『エヴゲーニイ・オネーギン』の時代と主な登場人物

a.プーシキンの時代の貴族と農民

b.都市の貴族・オネーギン c. 地方貴族の娘タチヤーナ

d.乙女からのラブレター(フランス語での記述とロシア語への翻訳)

 

. トルストイの『戦争と平和』――「正義の戦争」と「祖国戦争」

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(ヤースナヤ・ポリャーナでのトルストイの写真、図版は「ウィキペディア」より)

a.長編小説の書き出しとピエールの発言

b.「アウステルリッツの高い空」――アンドレイのナポレオン観とその変化

c.ナターシャ

d.物語の流れ――ナポレオンのロシア侵攻

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(「祖国戦争」の図、左上から時計回りに: ボロジノの戦い ルイ=フランソワ・ルジューン(英語版)作; モスクワ焼き討ち (1812年)(英語版) アルブレヒト・アダム(英語版)作; カウナスの戦いでのネイ元帥 オギュスト・ラフィット(英語版)作; フランス軍の撤退 イラリオン・プリャニシニコフ作、図版は「ウィキペディア」より)。

『戦争と平和』1・2巻あらすじ – YouTube 『戦争と平和』3・4巻あらすじ – YouTube  

 

Ⅳ.『若きヴェルテルの悩み』から『罪と罰』へ

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(「ワイマールに立つゲーテとシラーの像」、写真は「ウィキペディア」より)

a.ゲーテと書簡体形式の小説『若きヴェルテルの悩み』

b.『若きヴェルテルの悩み』から『罪と罰』へ

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江川卓訳『罪と罰』上中下(岩波文庫)

c.『罪と罰』の推理小説的な構造

 

. 『罪と罰』のロシア民話的な構造

d.手塚治虫と宮崎駿監督の『罪と罰』観

罪と罰:マンガwiki:TezukaOsamu.net(JP) 手塚治虫 公式サイト

tezukaosamu.net/jp/manga/282.html

b.『罪と罰』の高利貸しの老婆とバーバ・ヤガー(英雄による「魔女退治」の物語)

バーバ。ヤガーの絵

バーバ・ヤガー(ヤーガとも記す)(イヴァン・ビリビン画。図版は「ウィキペディア」より))

c. ロトマンの文化記号論的な分析

d.福沢諭吉の「桃太郎譚」批判(自分の子供に書いた「ひゞのをしへ」で)

e.民話の「鬼」と「魔女」

f.ラスコーリニコフの犯罪観と戦争観 

0-1、〈「不思議の国」ロシア〉のページの構成と講義の概要

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(ネヴァ川から見たエルミタージュ美術館。かつてはロマノフ王朝の冬の宮殿。図版は「ウィキペディア」より)

  0-1、〈「不思議の国」ロシア〉のページの構成

1-0-1、「ロシアの社会と文化」のページ構成と授業概要 

2-0-1、「日露文化交流史」のページ構成と授業の概要

3-0-1,「ロシア文学研究」のページ構成と授業概要

*履修に際してロシア語の知識は必要としませんが、ロシア語を知っているとロシア理解も深まるので、ロシア語の履修も勧めます。

4-0,ロシア語のページと構成

外国語学習の楽しさ/ 世界におけるロシア語/ ロシア語担当講師の紹介 / 開講科目 

5-0、「人間理解(世界文学に見る人間と文化)」のページ構成と授業の概要  

0-2、講義の概要

チェブラーシカ

(チェブラーシカ、Чебурашка. Кадр из мультфильма Романа Качанова «Чебурашка», 1971 год.図版はロシア語版「ウィキペディア」より)

 日本とも国境を接し、経済関係の発展も期待される重要な隣国であるにもかかわらず北方の大国ロシアは、政治体制が異なっていたこともあり、その風土や歴史だけでなく、に社会や文化もあまり知られていないように見えます。

しかし、江戸時代に鎖国下の日本を訪れた第1回ロシア使節団は交渉を行った根室でスケートをしていましたが、『白鳥の湖』などのバレエでも有名なロシアの芸術とも結びついて、その伝統は現代のフィギュア・スケートでも受け継がれています。

ロシアは民話の宝庫としても有名で「おおきなかぶ」はロシアの民話をもとにしており、ロシアの民話「金色の馬」や「火の鳥」そして「イワンの馬鹿」などを巧みな構成でまとめたソ連の長編アニメ映画《イワンと仔馬》は、手塚治虫監督のアニメ作品《青いブリンク》や《火の鳥》に強い影響を与えました。

また、若い頃にアニメ映画《雪の女王》に魅せられた宮崎駿監督は、《となりのトトロ》を製作しただけでなく、スタジオ・ジブリからアニメ映画《チェブラーシカ》のDVDも出しています。

しかも、啓蒙思想家の福沢諭吉はロシアのピョートル大帝の改革を「魯の文明開化」と呼んでいましたが、日本とロシアとの関係は意外と深く、強大な近代西欧文明に対抗するために上からの近代化を推し進めたその改革は明治維新のモデルの一つにもなっていました。

「ロシアの社会と文化」の講義では、ビデオ教材も活用しつつ、日本にも深い関わりのあるロシアの文学や演劇、さらには映画や音楽などをとおしてロシアの文化と社会を紹介し、ロシアという国家や日本とロシアとの関係を考えます。 また、ロシアの新聞やテレビ報道も紹介することでロシア社会の今後の行方を探ります。

(国際情勢の変化などに対応してシラバスの内容を変更することがあります。) 1280px-The_Bronze_Horseman_(St__Petersburg,_Russia)(←画像をクリックで拡大できます)

(図版はプーシキンの叙事詩『青銅の騎士』のモデルとなった「ピョートル大帝の騎馬像」、ロシア語版「ウィキペディア」より)

ロシアの近代文学は、英・仏・独などの近代文学だけでなく『聖書』やギリシャなど古典文学の深い理解によって成立しています。

そのロシア文学が日本の近代文学の成立に強い影響を与えていたことはよく知られていますが、たとえば、島崎藤村の自伝的な長編小説『桜の実の熟する時』には、ツルゲーネフの『猟人日記』の一編「あいびき」を二葉亭四迷の訳で読んだ時の感銘が次のように記されています。

「初めて自分等の国へ紹介された露西亜(ロシア)の作物の翻訳に就いて語るも楽しかった。日本の言葉で、どうしてあんな柔かい言いまわしが出来たろう、ということも二人の青年を驚かした」。

実際、ツルゲーネフが尊敬したロシアの国民詩人・プーシキン以降のロシア文学の作品は、日本だけでなく世界文学にも強い影響を与えています。

それはこれらの作品がロシアの歴史や当時の社会情勢を反映しているばかりでなく、現代にも通じるような自己と他者の問題、さらには犯罪や戦争の問題などきわめて深く重たい問題を扱いながら、解決への道をも示唆しているためでしょう。

「ロシア文学研究」の講義ではプーシキンの作品やドストエフスキーの『貧しき人々』や『罪と罰』、トルストイの長編小説『戦争と平和』などロシアの小説と、『若きヴェルテルの悩み』や『レ・ミゼラブル』など西欧の小説や日本の小説との関連を比較文学的な手法により読み解くことによって、ロシア文学の現代的な意義について考察します。