高橋誠一郎 公式ホームページ

『罪と罰』

2ー24、「芸術座」の『その前夜』から黒澤映画《生きる》へ――「ゴンドラの唄」と映画《僕の村は戦場だった》をめぐって

Ⅰ. 相馬黒光と「中村屋サロン」

a.朝ドラ「なつぞら」と「中村屋」
 
b. 相馬黒光と「中村屋サロン」
c.松井須磨子の『その前夜』と「ゴンドラの唄」
 

.盲目の詩人エロシェンコと清水安三

清水安三と中国(書影は紀伊國屋書店のウェブより)

a.清水安三とトルストイ

b.盲目の詩人エロシェンコ

c.エロシェンコと日本

d.エロシェンコとアジア

e.エロシェンコと清水安三

 

Ⅲ. 『復活』の受難

a. 滝川幸辰教授の『復活』論と京大事件

b. 黒澤映画《我が青春に悔いなし》と京大事件

わが青春に悔なし No Regrets for Our Youth 1946 Opening Kurosawa …

c.「ゴンドラの唄」と黒澤映画《生きる》

2-22、ロシアのバレエと日本

Ⅰ.  サンクト・ペテルブルクの文化とバレエ

a.エカテリーナ2世の文化政策

b.ロシアのバレエとワガノワ・バレエ・アカデミー

マリインスキー劇場

サンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場©Savin。(図版は「ウィキペディア」より)

→280年の歴史を誇るワガノワ・バレエ・アカデミーを訪問! | オーチャード …

www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/18_gala/topics/998.html
ワガノワ、バレエ
エスメラルダを踊るワガノワ (1910年頃。図版は「ウィキペディア」より)

 

Ⅱ.ロシア革命と日本

a.  連合軍の干渉とシベリア出兵

シベリア出兵

1918年、ウラジオストクでパレードを行う各国の干渉軍(図版は「ウィキペディア」より)

b.  シベリア出兵の経過

シベリア出兵日本シベリア出兵日本2

シベリア出兵を伝える日本のプロパガンダ版画『救露討獨遠征軍画報』(図版は「ウィキペディア」より)

c.  司馬遼太郎の批判

d.  堀田善衞の『夜の森』におけるシベリア出兵

e. シベリア出兵と米騒動

f.シベリア出兵と炭坑夫たちの暴動

g. 菊地昌典「歴史的現実とモノローグの世界」――「夜の森」解説

 

Ⅲ. 日本のバレエとエリアナ・パヴロバ

a. 日本バレエの母と日本バレエ発祥の地

七里ガ浜のパブロワ記念館のページへ – 日本バレエ協会

www.j-b-a.or.jp/o/pavlova.html

BS朝日 – 草刈民代 日本バレエの母を求めて ~エリアナ・パヴロバの波乱 …

www.bs-asahi.co.jp/kusakaritamiyo/

c. バレエ「瀕死の白鳥」

Maya Plisetskaya: “The dying swan”– 長さ: 5:19。

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3-13、女性の地位と家庭教師という職業――樋口一葉の「十三夜」と『罪と罰』のドゥーニャ

Ⅰ.ユゴーの作品と『貧しき人々』における「いじめ」の描写

a.地方の名士の子息と女工の恋

b.歌わぬ〈ひばり〉――いじめられるコゼット

コゼット

(ファンティーヌの娘コゼット)

c.未婚の母に対する差別

ファンティーヌ

(ヴァルジャンに看取られ死の床に就いたファンティーヌ)

d.「寄宿学校」におけるいじめ――『貧しき人々』の描写

 

Ⅱ.家庭小説としての『罪と罰』

a.ソーニャの境遇とラスコーリニコフの妹・ドゥーニャ

b.母からの手紙――妹の婚約と「前借り」されたお金

c.ドゥーニャをめぐる三人の男性

 

Ⅲ.樋口一葉の「にごりえ」と「十三夜」

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(写真は「ウィキペディア」より)

a.「奇跡の十四ヶ月」と『罪と罰』

b.「にごりえ」のお力とソーニャ

c.「十三夜」のお関とドゥーニャ

 

Ⅳ.家庭教師という職業(ロシアとイギリスの場合)

a.『貧しき人々』

b.チェルヌイシェフスキーと『何をなすべきか』

c.長編小説『アンナ・カレーニナ』

d.シャーロット・ブロンテと『ジェーン・エア』

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(ブランウェルによって描かれた3姉妹の肖像画。左からアン、エミリー、シャーロット。図版は「ウィキペディア」より)。

e.シャーロットの弟・ブランウェル

f.女家庭教師という職業の厳しさについて

 

Ⅴ.「知能犯」の出現と名探偵の誕生―― 『罪と罰』からコナン・ドイルの『ソア橋』へ

a.「知能犯」の登場と名探偵の誕生

ドストエフスキーのエドガー・アラン・ポー観

c.アーサー・コナン・ドイルと名探偵シャーロック・ホームズ

d.ドゥーニャのエピソードと短編「ソア橋」(1922)との類似点

シャーロック・ホームズの冒険[完全版] DVD-SET1

(シャーロック・ホームズの冒険[完全版] DVD-SET、図像は「アマゾン」より)

c.ドゥーニャのエピソードと短編「ソア橋」(1922)

 

3-16、『レ・ミゼラブル』ジャベールとの対決と司法取締官ポルフィーリイとの対決

Ⅰ.追い詰める者たちⅠ――ジャベールとテナルディエ夫妻

a.これまでの流れ

映画『レ・ミゼラブル』予告編 – YouTube

b.「法」の厳格な執行者としてのジャベール

(ジャヴェール警部)

c.ジャベールの絶望

d.テナルディエ夫妻とスヴィドリガイロフ

テナルディエ夫妻)

 

Ⅱ.追い詰める者たちⅡ――『罪と罰』のポルフィーリイ

a.ポルフィーリイによる「非凡人の理論」の指摘

b.「自然の法則」と「進化論」

(若き日のダーウィン、「ウィキペディア」より)

c.「進化論」と「ネオ・ダーウィニズム」

d.「非凡人の理論」と「自然の法則」

(ルイ・ナポレオンのクーデターが決行された1851年12月2日のパリの様子を描いた絵)

e.ラスコーリニコフのナポレオン観と「正義」の犯罪

 

Ⅲ.マリユスの再生

a.エポニーヌとソーニャ

エポニーヌとマリユス

On My Own – 島田歌穂Kaho Shimada – YouTube

b.暴動後に残された死体と廃墟

ABCの友

c.コゼットとの再会

d.明らかになる「秘密」

e.ジャン・ヴァルジャンの死

 

Ⅳ.ソーニャとの出会いの意味 

a.ソーニャの最初の印象

b.ラスコーリニコフとソーニャの対話

c.ラザロの「復活」の朗読

d.ラスコーリニコフに対するソーニャの反論

.ラスコーリニコフの告白と「大地」への接吻

 

Ⅴ. 二つの「民衆の歌」

a.暴動の前に歌われる唄

レ・ミゼラブル 民衆の歌 – YouTube

b.エピローグで歌われる唄

3-15、ラスコーリニコフの先行者・マリユス――「非凡人の思想」と「正義」の犯罪

Ⅰ.「司法取調官」ポルフィーリイとの3回の対決

a.ポルフィーリイとの最初の対決

b.ラスコーリニコフの工夫とポルフィーリイの対応

c.ポルフィーリイの質問の罠

 

Ⅱ.ポルフィーリイとの対決の核心――「非凡人」の思想

a.記憶にない論文

b.「非凡人の理論」と「良心」の問題

c.マリユスのナポレオン観

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(1830年の7月革命と『民衆を導く自由の女神』(ドラクロワ画)、図版は「ウィキペディア」より)

d.『ジュリアス・シーザー伝』とナポレオンの「英雄」化

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(ルイ・ナポレオンのクーデターが決行された1851年12月2日のパリの画。図版は「ウィキペディア」より)

e.ナポレオンの「英雄」化から「非凡人の理論」へ

 

Ⅱ.『レ・ミゼラブル』と『罪と罰』の登場人物の比較

a.ジャヴェール警部とポルフィーリイ

b.テナルディエ夫妻とスヴィドリガイロフ

c.テナルディエ夫妻の子供たち

エポニーヌとマリユス

On My Own – 島田歌穂Kaho Shimada – YouTube

ガヴローシュ

 

3-14、女性の地位と家庭教師という職業――樋口一葉の「十三夜」と『罪と罰』のドゥーニャ

Ⅰ.家庭小説としての『罪と罰』

a.ソーニャの境遇とラスコーリニコフの妹・ドゥーニャ

b.母からの手紙――妹の婚約と「前借り」されたお金

c.ドゥーニャをめぐる三人の男性

 

Ⅱ.樋口一葉の「にごりえ」と「十三夜」

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(写真は「ウィキペディア」より)

a.「奇跡の十四ヶ月」と『罪と罰』

b.「にごりえ」のお力とソーニャ

c.「十三夜」のお関とドゥーニャ

 

Ⅲ.家庭教師という職業(ロシアとイギリスの場合)

a.『貧しき人々』

b.チェルヌイシェフスキーと『何をなすべきか』

c.長編小説『アンナ・カレーニナ』

d.シャーロット・ブロンテと『ジェーン・エア』

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(ブランウェルによって描かれた3姉妹の肖像画。左からアン、エミリー、シャーロット。図版は「ウィキペディア」より)。

e.シャーロットの弟・ブランウェル

f.女家庭教師という職業の厳しさについて

 

3-13、『罪と罰』のソーニャと文学作品における高利貸しという職業

Ⅰ.『レ・ミゼラブル』と『罪と罰』の人物体系の比較

a. 『オリヴァー・トゥイスト』のナンシーとソーニャ

b-1.  『レ・ミゼラブル』のジャン・ヴァルジャン

b-2.  ファンティーヌとコゼット

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(ヴァルジャンに看取られ死の床に就いたファンティーヌと娘コゼット)

c-1. 『罪と罰』のラスコーリニコフ

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(ラスコーリニコフ、ボクレフスキー画。図版はロシア語版「ウィキペディア」による)

c-2. ソーニャと継母の連れ子たち

 

Ⅱ.長編小説『罪と罰』の特徴

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(『罪と罰』が連載された雑誌『ロシア報知』1866年。図版はロシア語版「ウィキペディア」による)

a.『罪と罰』の現代性

b. 『罪と罰』の冒頭の筋

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(1880年代のサンクト・ペテルブルクのセンナヤ広場。図版はロシア語版「ウィキペディア」による)

c.ロシア人の名前

d.おもな登場人物(1)

 

. 高利貸しという職業

 a.高利貸しの老婆とラスコーリニコフ

b.『ヴェニスの商人』(シェークスピア)

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c.樋口一葉の『われから』の場合

 

. 長編小説『罪と罰』とクリジャーノフ監督の映画《罪と罰》

a. ロシアの社会と映画《罪と罰》

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(映画《罪と罰》のポスター、図版はロシア語版「ウィキペディア」より)

b. 映画の冒頭のシーン

c. 二つの家族の正確な映像化

3-28、「罪」と「復活」というモチーフ――『罪と罰』と島崎藤村の『破戒』

リンク→3-0-1,「ロシア文学研究」のページ構成と授業概要

 

講義の流れ

Ⅰ.内田魯庵訳の『罪と罰』と北村透谷

a.『罪と罰』の訳書が初めて日本に入った時

b.長編小説の読破と翻訳の試み

c.北村透谷の評論「『罪と罰』の殺人罪」

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(北村透谷、図版は「ウィキペディア」より)

d.島崎藤村と長編小説『春』

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(島崎藤村、図版は「ウィキペディア」より)

e.内田魯庵の翻訳と二葉亭四迷

 

Ⅱ.長編小説『罪と罰』から『破戒』へ

a.長編小説『破戒』と『罪と罰』

b.差別の問題の考察と描写

c.学校制度の考察

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(映画《二十四の瞳》、壺井栄原作、木下恵介監督。1954年 松竹大船。図版は「ウィキペディア」より)

Ⅲ.『破戒』と『罪と罰』の筋と登場人物の比較

a.『破戒』の粗筋

b.二つの長編小説の登場人物の比較

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(市川雷蔵、図版は「ウィキペディア」より

c.『破戒』における人物造型の独創性

 

.  『罪と罰』と『破戒』における自然の描写

a.橋からの「パノラマ」と山の「パノラマ」の記述

b.「大地」への接吻

 

3-0-1,「ロシア文学研究」のページ構成と授業概要

Ⅰ、「ロシア文学研究」のページ構成(2019年)

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(←画像をクリックで拡大できます) (図版はプーシキンの叙事詩『青銅の騎士』のモデルとなった「ピョートル大帝の騎馬像」、ロシア語版「ウィキペディア」より)

Ⅱ、講義概要

この講義では近代日本文学の成立に大きな役割を果たしたロシア文学をドストエフスキーの『罪と罰』を中心に、ロシア文学の父と呼ばれるプーシキンの作品やトルストイの『戦争と平和』などを世界文学も視野に入れながら映像資料も用いて考察する。

具体的には比較文学的な手法によりシェイクスピアの戯曲やゲーテの『若きヴェルテルの悩み』、ディケンズの『クリスマス・キャロル』、そしてユゴーの『レ・ミゼラブル』と『罪と罰』との深い関わりを明らかにする。そのうえで『罪と罰』の筋や人物体系の研究の上に成立している島崎藤村の長編小説『破戒』などを具体的に分析することで、近代日本文学の成立とロシア文学との深い関わりを示す。

さらに、ドストエフスキーとほぼ同時代を生きた福沢諭吉の「桃太郎盗人論」や芥川龍之介の短編「桃太郎」と『罪と罰』の主人公の「非凡人の理論」を比較し、手塚治虫や黒澤明、さらに宮崎駿の作品とのかかわりを考察することで、『罪と罰』の現代的な意義を明らかにする。 (ロシア語の知識は必要としない)。

 、講義目標

1,ロシア文学と世界文学の名作との関わりをとおして文学の面白さと深さを示す。

2,映画化された文学作品も取り上げることで、映画と文学との関わりにも言及する。

3,テキストをきちんと読み解くことにより、「自己と他者」、「論理と感情」、「都市と自然」などの問題が作品にどのように描かれているかを分析し、総合的な学問としての文学の意味を明らかにする。

 

Ⅳ、シラバス 

① 9月23日  序に代えて――混迷の時代と新しい価値観の模索

② 9月26日 ロシアの民話と文学――プーシキンの『ルスラーンとリュドミーラ』

③ 9月30日 ロシア生活の百科事典――プーシキンの『エヴゲーニイ・オネーギン』

④ 10月3日 『エヴゲーニイ・オネーギン』から『大尉の娘』へ

➄ 10月7日  個人の自由の拡大――『若きウェルテルの悩み』と『赤と黒』の受容

⑥ 10月10日 トルストイと『戦争と平和』と日本

⑦ 10月14日 台風のため、休講

⑧ 10月17日 「正義の戦争」と「祖国戦争」――『戦争と平和』(2)

⑧ 10月21日 「死刑」の体験と「農民」との出会い――『戦争と平和』(3)

⑨ 10月24日 大都市と犯罪――ディケンズの『オリヴァー・トゥイスト』とドストエフスキー

⑪ 10月31日 異形の者への差別――『ノートルダム・ド・パリ』と「桃太郎」譚の批判

⑫ 11月4日   『レ・ミゼラブル』と『罪と罰』の人物体系の比較と高利金貸しの問題

⑬ 11月7日 『レ・ミゼラブル』と『罪と罰』の構造――ミリエル司教の存在をめぐって

⑭11月11日 女性の地位と家庭教師という職業――樋口一葉の「十三夜」と『罪と罰』のドゥーニャ

⑮11月14日 「謎としての自己」――『罪と罰』と『マクベス』

⑯11月18日 ドゥーニャの婚約者ルージンの経済理論とラズミーヒン

⑰11月21日 ラスコーリニコフの先行者・マリユス――「非凡人の思想」と「正義」の犯罪

⑱11月25日 追い詰める者たちとの対決――司法取締官ポルフィーリイとの対決とジャベールとの対決

⑲11月28日 スヴィドリガイロフの絶望とソーニャ――「弱肉強食の思想」と「他者の喪失」

⑳12月2日 流刑地のシベリアで――シベリアの大自然と「自然観」の変化

㉑12月5日 「文明の危機」と「大地との絆」――『罪と罰』と《風の谷のナウシカ》

㉒12月9日 『罪と罰』から島崎藤村の『破戒』へ――人物体系の類似性と独自性

㉓12月12日 『罪と罰』から『破戒』へ(2)――北村透谷との関係を中心に

㉔12月16日 『罪と罰』から『破戒』へ(3)――良心の問題とテロの危険性

㉕12月19日 『罪と罰』から『破戒』へ(4)――「生存闘争」の思想と差別の考察

㉖12月23日 黒澤映画における『罪と罰』のテーマ――映画《野良犬》から映画《夢》へ

㉗1月16日 マグダラのマリアのテーマと『椿姫』――『罪と罰』から『白痴』へ

㉘1月20日 世界文学と『白痴』の方法――『ドン・キホーテ』から『白痴』へ

 

Ⅴ、テキスト(必要度B)

『「罪と罰」の受容と「立憲主義」の危機――北村透谷から島崎藤村へ』

(装丁:山田英春)

ISBN978-4-86520-031-7 C0098
四六判上製 本文縦組224頁
定価(本体2000円+税)

Ⅵ、推薦する翻訳書(必要度B)

江川卓訳『罪と罰』上中下(岩波文庫)

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Ⅶ. キーワード

自己、他者、言葉、#MeToo、戦争、平和、原爆、環境、法律、死刑、支配と服従

Ⅷ. 備考

* 授業ではプリントも配布するので教科書は必須ではないが、講義の予習や復習のためにはなるべくあったほうがよい。
* 学生の関心や理解度によって、講義の予定は一部変更することもある。

指定図書

川端香男里『100分de名著、トルストイ「戦争と平和」』、NHK出版

トルストイ『戦争と平和』 : 人はいかに生きるべきか

井桁貞義『ドストエフスキイと日本文化――漱石・春樹、そして伊坂幸太郎まで』、教育評論社(図書館に配架)

第1部 黎明期(漱石とドストエフスキイ;『レ・ミゼラブル』『罪と罰』『破戒』) 第2部 戦後日本のドストエフスキイ(ドストエフスキイの時代;ドストエフスキイと黒澤明) 第3部 現代日本のドストエフスキイ(『白痴』と「無力なイエス」;大江健三郎と“祈り”;村上春樹とドストエフスキイ) 現代へ、そして未来へ

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『欧化と国粋――日露の「文明開化」とドストエフスキー』、刀水書房(図書館に配架)

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『「罪と罰」を読む(新版)――〈知〉の危機とドストエフスキー』刀水書房(図書館に配架)

【同時代のロシアや西欧の小説も視野に入れて比較文学会的な手法で読み解くことにより、主人公の言動と「人類滅亡の悪夢」などをとおして、「弱肉強食の理論」に基づく「非凡人の思想」の危険性を示唆し、『わが闘争』で「自尊心」を強調しながら「復讐の情念」を煽ったヒトラーの登場を予告した『罪と罰』の現代性に迫る。】

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芦川進一『『罪と罰』における復活―ドストエフスキイと聖書』、河合文化教育研究所(図書館に配架)

【ドストエフスキイ文学の根底を貫く新約聖書の意味とは何か。主人公の老婆殺しから始まる表の物語と、その下を流れる「ラザロの復活」をめぐる深層の物語の二重構造に着目し、『罪と罰』に構造的に織り込まれた聖書の意味を開示することを通して、ドストエフスキイ文学の最深部の謎に光をあてる。】。

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『黒澤明と小林秀雄――「罪と罰」をめぐる静かなる決闘』(成文社、2014年) (図書館に配架)

【なぜ映画“夢”は、フクシマの悲劇を予告しえたのか。1956年12月、黒澤明と小林秀雄は対談を行ったが、残念ながらその記事が掲載されなかった。共にドストエフスキーにこだわり続けた両雄の思考遍歴をたどり、その時代背景を探る。】

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『黒澤明で「白痴」を読み解く』(成文社、2011年)

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推薦する翻訳書

江川卓訳『罪と罰』上中下(岩波文庫)

326135032613603261370

 

望月哲男訳『白痴』1~3(河出文庫)

白痴 〈1〉 河出文庫 白痴 〈2〉 河出文庫 白痴 〈3〉 河出文庫 

(書影は「紀伊國屋書店」のウェブより)

 

0-1、〈「不思議の国」ロシア〉のページの構成と講義の概要

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(ネヴァ川から見たエルミタージュ美術館。かつてはロマノフ王朝の冬の宮殿。図版は「ウィキペディア」より)

  0-1、〈「不思議の国」ロシア〉のページの構成

1-0-1、「ロシアの社会と文化」のページ構成と授業概要 

2-0-1、「日露文化交流史」のページ構成と授業の概要

3-0-1,「ロシア文学研究」のページ構成と授業概要

*履修に際してロシア語の知識は必要としませんが、ロシア語を知っているとロシア理解も深まるので、ロシア語の履修も勧めます。

4-0,ロシア語のページと構成

外国語学習の楽しさ/ 世界におけるロシア語/ ロシア語担当講師の紹介 / 開講科目 

5-0、「人間理解(世界文学に見る人間と文化)」のページ構成と授業の概要  

0-2、講義の概要

チェブラーシカ

(チェブラーシカ、Чебурашка. Кадр из мультфильма Романа Качанова «Чебурашка», 1971 год.図版はロシア語版「ウィキペディア」より)

 日本とも国境を接し、経済関係の発展も期待される重要な隣国であるにもかかわらず北方の大国ロシアは、政治体制が異なっていたこともあり、その風土や歴史だけでなく、に社会や文化もあまり知られていないように見えます。

しかし、江戸時代に鎖国下の日本を訪れた第1回ロシア使節団は交渉を行った根室でスケートをしていましたが、『白鳥の湖』などのバレエでも有名なロシアの芸術とも結びついて、その伝統は現代のフィギュア・スケートでも受け継がれています。

ロシアは民話の宝庫としても有名で「おおきなかぶ」はロシアの民話をもとにしており、ロシアの民話「金色の馬」や「火の鳥」そして「イワンの馬鹿」などを巧みな構成でまとめたソ連の長編アニメ映画《イワンと仔馬》は、手塚治虫監督のアニメ作品《青いブリンク》や《火の鳥》に強い影響を与えました。

また、若い頃にアニメ映画《雪の女王》に魅せられた宮崎駿監督は、《となりのトトロ》を製作しただけでなく、スタジオ・ジブリからアニメ映画《チェブラーシカ》のDVDも出しています。

しかも、啓蒙思想家の福沢諭吉はロシアのピョートル大帝の改革を「魯の文明開化」と呼んでいましたが、日本とロシアとの関係は意外と深く、強大な近代西欧文明に対抗するために上からの近代化を推し進めたその改革は明治維新のモデルの一つにもなっていました。

「ロシアの社会と文化」の講義では、ビデオ教材も活用しつつ、日本にも深い関わりのあるロシアの文学や演劇、さらには映画や音楽などをとおしてロシアの文化と社会を紹介し、ロシアという国家や日本とロシアとの関係を考えます。 また、ロシアの新聞やテレビ報道も紹介することでロシア社会の今後の行方を探ります。

(国際情勢の変化などに対応してシラバスの内容を変更することがあります。) 1280px-The_Bronze_Horseman_(St__Petersburg,_Russia)(←画像をクリックで拡大できます)

(図版はプーシキンの叙事詩『青銅の騎士』のモデルとなった「ピョートル大帝の騎馬像」、ロシア語版「ウィキペディア」より)

ロシアの近代文学は、英・仏・独などの近代文学だけでなく『聖書』やギリシャなど古典文学の深い理解によって成立しています。

そのロシア文学が日本の近代文学の成立に強い影響を与えていたことはよく知られていますが、たとえば、島崎藤村の自伝的な長編小説『桜の実の熟する時』には、ツルゲーネフの『猟人日記』の一編「あいびき」を二葉亭四迷の訳で読んだ時の感銘が次のように記されています。

「初めて自分等の国へ紹介された露西亜(ロシア)の作物の翻訳に就いて語るも楽しかった。日本の言葉で、どうしてあんな柔かい言いまわしが出来たろう、ということも二人の青年を驚かした」。

実際、ツルゲーネフが尊敬したロシアの国民詩人・プーシキン以降のロシア文学の作品は、日本だけでなく世界文学にも強い影響を与えています。

それはこれらの作品がロシアの歴史や当時の社会情勢を反映しているばかりでなく、現代にも通じるような自己と他者の問題、さらには犯罪や戦争の問題などきわめて深く重たい問題を扱いながら、解決への道をも示唆しているためでしょう。

「ロシア文学研究」の講義ではプーシキンの作品やドストエフスキーの『貧しき人々』や『罪と罰』、トルストイの長編小説『戦争と平和』などロシアの小説と、『若きヴェルテルの悩み』や『レ・ミゼラブル』など西欧の小説や日本の小説との関連を比較文学的な手法により読み解くことによって、ロシア文学の現代的な意義について考察します。