高橋誠一郎 公式ホームページ

『戦争と平和』

1―12、トルストイ『戦争と平和』(2)――「正義の戦争」と「祖国戦争」

リンク→1-0-1、「ロシアの社会と文化」のページ構成と授業概要 

 

講義の流れ

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(図版は藤沼貴訳『戦争と平和』、岩波文庫より)。

 

. ナポレオンのヨーロッパ支配とロシア

a.『戦争と平和』の筋の流れ

b.ロシアとの同盟の強化の試み

c.ティルジット条約の破綻

d.1811年時点のフランスの最大勢力図

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( フランス帝国と衛星国、そして同盟国。図版は「ウィキペディア」より)。

e.ナポレオンのロシア侵攻

f. EUのヨーロッパ統合とナポレオンとの方法の違い

 

.ナポレオンのロシア侵攻――「正義の戦争」と「祖国戦争」

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(「祖国戦争」の図、左上から時計回りに: ボロジノの戦い ルイ=フランソワ・ルジューン(英語版)作; モスクワ焼き討ち (1812年)(英語版) アルブレヒト・アダム(英語版)作; カウナスの戦いでのネイ元帥 オギュスト・ラフィット(英語版)作; フランス軍の撤退 イラリオン・プリャニシニコフ作、図版は「ウィキペディア」より)。

a.スモレンスクでの戦闘と映画《戦争と平和》

b.『戦争と平和』におけるナポレオンの批判

c.ボロジノの戦いの直前でのピエールとアンドレイの会話

d.モスクワの占領とナポレオンの言動

. その後の筋の展開――『戦争と平和』における「祖国戦争」の描写

a.ナターシャの行動

b.ピエールの行動

c.農奴の解放とナポレオン

d.ナポレオンの退却

 

1―11、トルストイ『戦争と平和』(1)――戦争と個人

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講義の流れ

Ⅰ.エカテリ-ナ二世の対外政策とポーランド併合

a. プーシキンのナポレオン観

b.ポーランド分割 (1772年、1793年、 1795年)

ポーランド分割

(by Rzeczpospolita_Rozbiory_3.png:図版は「ウィキペディア」より)

c.第一次ロシア・トルコ(露土)戦争とクリミアーハン国の併合

第一次露土戦争、大

(by Byzantine Empire Themes 1025-en.svg: User:Cplakidas、図版は「ウィキペディア」より) 

Ⅱ.トルストイと『戦争と平和』

a.トルストイと日本

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(ヤースナヤ・ポリャーナでのトルストイの写真、図版は「ウィキペディア」より)

b.『戦争と平和』の構造と書き出し

c.主な登場人物

d.物語の流れ

 Ⅲ.主人公たちのナポレオン観とその変化

a.ピエールのナポレオン観――夜会にて

b.アンドレイのナポレオン観――三帝会戦まで

c.アンドレイのナポレオン観の変化

d.フランス革命とナポレオン

e.物語の流れ(1)

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(図版は藤沼貴訳『戦争と平和』、岩波文庫より)

 . チャイコフスキー序曲「1812年」

チャイコフスキーの肖像画、クズネツォフ画、

クズネツォフ画、チャイコフスキーの肖像(図版はロシア語版「ウィキペディア」より)

a.チャイコフスキーの略歴

b.「1812年」(変ホ長調 作品49)の構成

モスクワ高等音楽院

モスクワ高等音楽院、1901年(図版はロシア語版「ウィキペディア」より)

5-2,「ロシア文学2」の案内

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講義の流れ

. ロシア文学と世界文学  

a.ロシア人が選ぶ必読書

b.ロシア文学と近代日本文学

c.ヘルマン・ヘッセのドストエフスキー観

. プーシキンと韻文小説『エヴゲーニイ・オネーギン』

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(図版は池田健太郎訳『オネーギン』、岩波文庫より)

a.韻文小説

b.作者と主人公

c.プーシキンと1812年の「祖国戦争」

.『エヴゲーニイ・オネーギン』の時代と主な登場人物

a.プーシキンの時代の貴族と農民

b.都市の貴族・オネーギン c. 地方貴族の娘タチヤーナ

d.乙女からのラブレター(フランス語での記述とロシア語への翻訳)

. トルストイの『戦争と平和』――「正義の戦争」と「祖国戦争」

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(ヤースナヤ・ポリャーナでのトルストイの写真、図版は「ウィキペディア」より)

a.長編小説の書き出しとピエールの発言

b.「アウステルリッツの高い空」――アンドレイのナポレオン観とその変化

c.ナターシャ d.物語の流れ(1)――「祖国戦争」まで

e.物語の流れ(2)――ナポレオンのロシア侵攻

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(「祖国戦争」の図、左上から時計回りに: ボロジノの戦い ルイ=フランソワ・ルジューン(英語版)作; モスクワ焼き討ち (1812年)(英語版) アルブレヒト・アダム(英語版)作; カウナスの戦いでのネイ元帥 オギュスト・ラフィット(英語版)作; フランス軍の撤退 イラリオン・プリャニシニコフ作、図版は「ウィキペディア」より)。

『戦争と平和』1・2巻あらすじ – YouTube 『戦争と平和』3・4巻あらすじ – YouTube  

Ⅳ.『若きヴェルテルの悩み』から『罪と罰』へ

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(「ワイマールに立つゲーテとシラーの像」、写真は「ウィキペディア」より)

a.ゲーテと書簡体形式の小説『若きヴェルテルの悩み』

b.『若きヴェルテルの悩み』から『罪と罰』へ

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江川卓訳『罪と罰』上中下(岩波文庫)

c.『罪と罰』の推理小説的な構造

d.手塚治虫のマンガ『罪と罰』

「一口メモ」 漫画家・手塚治虫はドストエフスキーの『罪と罰』を子供向けに書いた漫画『罪と罰』(1953年)があるほどロシア文学にも通じていた。

罪と罰:マンガwiki:TezukaOsamu.net(JP) 手塚治虫 公式サイト

手塚の遺作となった長編アニメ《青いブリンク》(NHK、1989年4月~1990年3月)も、ロシア民話を巧みに構成したエルショーフの『せむしの仔馬』(1934年)をアニメ化した《イワンと仔馬》(1947年)を元にしている。  

3-0-1,「ロシア文学研究」のページ構成と授業概要

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Ⅰ、「ロシア文学研究」のページ構成(2018年)

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(←画像をクリックで拡大できます) (図版はプーシキンの叙事詩『青銅の騎士』のモデルとなった「ピョートル大帝の騎馬像」、ロシア語版「ウィキペディア」より)

Ⅱ、講義概要

 この講義ではロシア民話やロシアにおけるキリスト教の受容にも注意を向けながら、ロシア文学の父と呼ばれるプーシキン、トルストイ、ドストエフスキーなどの作品を踏まえたうえで、イエス・キリストをモデルとして「本当に美しい人間」を描こうとし、今も世界的に高い評価を受けている長編小説『白痴』を読み解く。
 具体的には比較文学的な手法により、セルバンテスの『ドン・キホーテ』、シェイクスピア『オセロ』、ゲーテの『若きヴェルテルの悩み』、アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の『椿姫』、ユゴーの『レ・ミゼラブル』やトルストイの『アンナ・カレーニナ』と『復活』の映像資料、さらに黒澤明監督の映画《白痴》などをとおして比較分析することにより『白痴』の現代的な意義に迫る。(ロシア語の知識は必要としない)。

 、講義目標

1,ロシア文学と世界文学の名作との関わりをとおして文学の面白さと深さを示す。

2,「本当に美しい人」を描こうとした西欧の文学作品にも言及しつつ、ドストエフスキーの長編小説『白痴』の現代性に迫る。

3,テキストをきちんと読み解くことにより、「自己と他者」、「支配と服従」、「戦争と平和」、「都市と自然」などの問題が作品にどのように描かれているかを分析し、総合的な学問としての文学の意味を明らかにする。

Ⅳ、シラバス(改訂版)

①9月17日 →序に代えて――混迷の世界と「本当に美しい人」の探求

②9月20日 イエスの時代と『白痴』の時代――ドストエフスキーと『聖書』

③9月24日 世界文学と『白痴』の方法――『ドン・キホーテ』から『白痴』へ

④9月27日 ロシアの民話と文学――プーシキンの『ルスラーンとリュドミーラ』

⑤10月1日 ロシア生活の百科事典――プーシキンの『エヴゲーニイ・オネーギン』

⑥10月4日 『エヴゲーニイ・オネーギン』から『大尉の娘』へ

⑦10月8日 個人の自由の拡大――『若きウェルテルの悩み』と『赤と黒』の受容

⑧10月11日 トルストイと『戦争と平和』(1)

⑨10月15日 「正義の戦争」と「祖国戦争」――『戦争と平和』(2)

10月18日 「死刑」の体験と「農民」との出会い――『戦争と平和』(3)

10月22日 「国際ドストエフスキー・シンポジウム」のため休講→代講、1月24日

⑩10月25日 「国際ドストエフスキー・シンポジウム」のため休講→代講、1月28日

⑪11月1日 ドストエフスキーのユゴー観と『レ・ミゼラブル』――主人公とファンチーヌ

⑫11月5日 大都市と犯罪――ディケンズの『オリヴァー・トゥイスト』と『罪と罰』

⑬11月8日 『罪と罰』のソーニャと文学作品における高利貸しという職業

⑭11月12日 女性の地位と家庭教師という職業――樋口一葉の「十三夜」と『罪と罰』のドゥーニャ

⑮11月15日 ラスコーリニコフの先行者・マリユス――「非凡人の思想」と「正義」の犯罪

⑯11月19日 『レ・ミゼラブル』ジャベールとの対決と司法取締官ポルフィーリイとの対決

⑰11月22日    ドゥーニャの婚約者ルージンとスクルージの哲学

⑱11月26日 『罪と罰』の夢の構造と『クリスマス・キャロル』

⑲11月29日 「弱肉強食の思想」と「他者の喪失」――スヴィドリガイロフの絶望

⑳12月3日 流刑地のシベリアで――シベリアの大自然と「人類滅亡の悪夢」

㉑12月6日 「人類滅亡の悪夢」とラスコーリニコフの「復活」――黒澤映画《夢》

㉒12月10日 大地の重要性――ソーニャとレイチェル・カーソンの『沈黙の春』

㉓12月13日 「文明の危機」と「大地との絆」――『罪と罰』と《風の谷のナウシカ》

㉔12月17日 マグダラのマリアのテーマと『椿姫』――『罪と罰』から『白痴』へ 

㉕12月20日 「天使のような」主人公と混迷のロシア――『白痴』Ⅱ

㉖12月24日 「非凡人」へのあこがれとドン・キホーテ的な主人公――『白痴』Ⅲ

㉗1月17日 『けちな騎士』とロシアの「イアーゴー」(『オセロ』)

㉘1月21日 「貧しき騎士」の謎とプーシキンの理念

㉙1月24日 「弱肉強食の思想」と悲劇の誕生

㉚1月28日 「記憶」と主人公の復活

 

Ⅳ、テキスト

高橋誠一郎『黒澤明で「白痴」を読み解く』(成文社、2011年)

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→ 自著紹介、ブルガリア・ドストエフスキー協会のサイトより転載(日本語版)

Ⅵ.参考書など

 →参考書と推薦する翻訳書

Ⅶ. キーワード

本当に美しい人間、支配と服従、戦争と平和、死刑、悲劇、記憶、復活

0-1、〈「不思議の国」ロシア〉のページの構成と講義の概要

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(ネヴァ川から見たエルミタージュ美術館。かつてはロマノフ王朝の冬の宮殿。図版は「ウィキペディア」より)

  0-1、〈「不思議の国」ロシア〉のページの構成

1-0-1、「ロシアの社会と文化」のページ構成と授業概要 

2-0-1、「日露文化交流史」のページ構成と授業の概要

3-0-1,「ロシア文学研究」のページ構成と授業概要

*履修に際してロシア語の知識は必要としませんが、ロシア語を知っているとロシア理解も深まるので、ロシア語の履修も勧めます。

4-0,ロシア語のページと構成

外国語学習の楽しさ/ 世界におけるロシア語/ ロシア語担当講師の紹介 / 開講科目 

5-0、「人間理解(世界文学に見る人間と文化)」のページ構成と授業の概要  

0-2、講義の概要

チェブラーシカ

(チェブラーシカ、Чебурашка. Кадр из мультфильма Романа Качанова «Чебурашка», 1971 год.図版はロシア語版「ウィキペディア」より)

 日本とも国境を接し、経済関係の発展も期待される重要な隣国であるにもかかわらず北方の大国ロシアは、政治体制が異なっていたこともあり、その風土や歴史だけでなく、に社会や文化もあまり知られていないように見えます。

しかし、江戸時代に鎖国下の日本を訪れた第1回ロシア使節団は交渉を行った根室でスケートをしていましたが、『白鳥の湖』などのバレエでも有名なロシアの芸術とも結びついて、その伝統は現代のフィギュア・スケートでも受け継がれています。

ロシアは民話の宝庫としても有名で「おおきなかぶ」はロシアの民話をもとにしており、ロシアの民話「金色の馬」や「火の鳥」そして「イワンの馬鹿」などを巧みな構成でまとめたソ連の長編アニメ映画《イワンと仔馬》は、手塚治虫監督のアニメ作品《青いブリンク》や《火の鳥》に強い影響を与えました。

また、若い頃にアニメ映画《雪の女王》に魅せられた宮崎駿監督は、《となりのトトロ》を製作しただけでなく、スタジオ・ジブリからアニメ映画《チェブラーシカ》のDVDも出しています。

しかも、啓蒙思想家の福沢諭吉はロシアのピョートル大帝の改革を「魯の文明開化」と呼んでいましたが、日本とロシアとの関係は意外と深く、強大な近代西欧文明に対抗するために上からの近代化を推し進めたその改革は明治維新のモデルの一つにもなっていました。

「ロシアの社会と文化」の講義では、ビデオ教材も活用しつつ、日本にも深い関わりのあるロシアの文学や演劇、さらには映画や音楽などをとおしてロシアの文化と社会を紹介し、ロシアという国家や日本とロシアとの関係を考えます。 また、ロシアの新聞やテレビ報道も紹介することでロシア社会の今後の行方を探ります。

(国際情勢の変化などに対応してシラバスの内容を変更することがあります。) 1280px-The_Bronze_Horseman_(St__Petersburg,_Russia)(←画像をクリックで拡大できます)

(図版はプーシキンの叙事詩『青銅の騎士』のモデルとなった「ピョートル大帝の騎馬像」、ロシア語版「ウィキペディア」より)

ロシアの近代文学は、英・仏・独などの近代文学だけでなく『聖書』やギリシャなど古典文学の深い理解によって成立しています。

そのロシア文学が日本の近代文学の成立に強い影響を与えていたことはよく知られていますが、たとえば、島崎藤村の自伝的な長編小説『桜の実の熟する時』には、ツルゲーネフの『猟人日記』の一編「あいびき」を二葉亭四迷の訳で読んだ時の感銘が次のように記されています。

「初めて自分等の国へ紹介された露西亜(ロシア)の作物の翻訳に就いて語るも楽しかった。日本の言葉で、どうしてあんな柔かい言いまわしが出来たろう、ということも二人の青年を驚かした」。

実際、ツルゲーネフが尊敬したロシアの国民詩人・プーシキン以降のロシア文学の作品は、日本だけでなく世界文学にも強い影響を与えています。

それはこれらの作品がロシアの歴史や当時の社会情勢を反映しているばかりでなく、現代にも通じるような自己と他者の問題、さらには犯罪や戦争の問題などきわめて深く重たい問題を扱いながら、解決への道をも示唆しているためでしょう。

「ロシア文学研究」の講義ではプーシキンの作品やドストエフスキーの『貧しき人々』や『罪と罰』、トルストイの長編小説『戦争と平和』などロシアの小説と、『若きヴェルテルの悩み』や『レ・ミゼラブル』など西欧の小説や日本の小説との関連を比較文学的な手法により読み解くことによって、ロシア文学の現代的な意義について考察します。