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07月

映画人も「安全保障関連法案」反対のアピール

すでにご存じの方も多いと思いますが、「朝日新聞」によれば15日に強行採決への抗議声明を出していた団体に続いて、映画関係者らで作る「映画人九条の会」も16日に、安全保障関連法案に反対するアピールに賛同する映画人が446人に達したとの発表を行いました。

このアピールの呼び掛け人の一人である高畑勲監督は、「自公の議員も(審議の進め方などに)全面的に賛成していないのに、どんどん進んでしまっている。日本人にはズルズル体質がある。重大な物事を決める時に大勢に順応し、破局に至っても誰も責任を取らない。ズルズル体質を自覚し、一線を越えてはならない」と語ったとのことです。

この指摘は「新国立競技場の建設計画」にも当てはまるでしょう。このことについては前回のブログでふれましたが、高畑監督の指摘は無責任な「安倍政権」に原発の再稼働などを委ねることの危険性も物語っているでしょう。

 

高畑監督ら呼びかけ安保法案反対 大物監督・俳優ら賛同:朝日新聞デジタル

http://www.asahi.com/articles/ASH7J5RGXH7JULZU00R.html …

「大義」を放棄した安倍内閣(2)――「公約」の軽視

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衆院本会議で「安全保障関連法案」を与党が単独で「強行採決」した後で、菅義偉官房長官が記者会見で参院での速やかな審議入りを拒む野党に対し「参院は良識の府と言われる。審議に協力いただけると思う」とけん制したとのニュースが伝えられました(太字は引用者)。

しかし、安倍首相は強行採決前の質疑で、「安全保障関連法案」について「まだ国民の理解が進んでいないのも事実だ」と認めていました。

法案の強行採決を行った衆院平和安全法制特別委員会の浜田靖一委員長も、法案可決後には国会内で記者団に「もっと丁寧にすべきだとの批判もあった。分かりやすくするためにも法律を10本も束ねたのはいかがなものか」と語っていました。

すなわち、「安全保障関連法案」は一本の法案ではなく、「国際平和支援法」と10本の戦争関連法をまとめたものであることを考慮するならばこの法案の審議には、これまでの法案の10倍の時間をかけなければならないことは明白でしょう。

菅義偉官房長官に「良識」があるならば、本来費やすべき10分の1の短時間で「強行採決」したこの法案を廃案にし、次の議会で徹底的に議論すべきと安倍首相に進言すべきでしょう。

リンク→「大義」を放棄した安倍内閣

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記者会見での今回の発言からは、「汚染水」の問題が深刻な問題となっていたにもかかわらず、その事実が隠されたままで行われた昨年7月の参議院議員選挙のことや、衆議院が解散されて昨年末の総選挙では「秘密法・集団的自衛権」は、「争点にならず」と明言していた菅義偉官房長官の発言が思い起こさせられます。

オリンピック招致の際に安倍首相が国際社会にむけて「汚染水」の問題は「アンダーコントロール」であると宣言していたことが偽りであったことはすでに明らかになっていますが、「安全保障関連法案」の強行採決の後では「公約」の「新国立競技場建設計画」も白紙撤回になりました。

「安全保障関連法案」だけでなく、十分な国民的議論もなく安倍政権が強引な手法で進めてきた「特定秘密保護法」や「集団的自衛権」と「憲法」と教育の問題、さらには「公約」を破って交渉が進められているTPPの問題などは、いずれも「国民の生命や財産」や国際情勢、さらには地球環境にかかわる重要な問題です。

「憲法」や「学問的な知」を侮辱し、「情念」的な言葉で「国民の恐怖」を煽り、戦争の必要性を強調するような安倍政権の手法は、「国民」には重要な情報を知らせずに戦争の拡大に踏み切り、ようやく沖縄戦と二度にわたる原爆投下の後で敗戦を認めた第二次世界大戦時の参謀本部の手法ときわめて似ていると言わざるをえないでしょう。このままでは経済の破綻や大事故が起きた後で、国民がようやく事実を知ることになる危険性が大きいと思われます。

権力を維持するために「公約」を軽視して、「国民の生命」や「地球の環境」を危険にさらしている「安倍政権」の一刻も早い退陣を求めます。

リンク→昨年総選挙での「争点の隠蔽」関連の記事一覧

(2015年7月20日、副題と文章の追加)

 

『安全保障関連法案に反対する学者の会』の賛同者(学者・研究者)が10,857人に

『安全保障関連法案に反対する学者の会』のアピールへの賛同者(学者・研究者)の人数は、7月17日9時00分現在で一万人を超えて10,857人に、市民の賛同者が21.377人に達しました。

リンク→http://anti-security-related-bill.jp

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「憲法」や「学問的な知」を侮辱し、「情念」的な言葉で「国民の恐怖」を煽り、戦争の必要性を強調するような安倍政権の手法が、真面目な研究者たちの怒りを駆り立てていると言えるでしょう。

未来の世代を担う世代のSEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy – s)自由と民主主義のための学生緊急行動)などの声も確実に広がっているようです。

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いよいよ審議は参議院に移ります。

YouTubeの「あかりちゃん】ヒゲの隊長に教えてあげてみた」は、「文明史」的な理解を欠いた形でこの法案を解説した自民党・広報の「教えて!ヒゲの隊長」の説明を分かりやすく論破していますので再掲します。

「大義」を放棄した安倍内閣

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衆院本会議でも与党が単独で「強行採決」し、賛成多数で可決されたとの報が届きました。

「国民の声」を封殺してでも祖父の代からの「野望」を遂げようとする安倍首相の独裁的な手法に対して、良識ある与党の議員も「No」の声を上げることを期待していましたが、与党の衆議院議員からはそのような声は発せられませんでした

リンク「安全保障関連法案」の危険性(2)――岸・安倍政権の「核政策」

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ノモンハン事件をめぐって対談した研究者のクックス氏から、戦前の日本では国家があれだけの無茶をやっているのに国民は「羊飼いの後に黙々と従う」羊だったと指摘された司馬遼太郎氏は、「日本は、いま世界でいちばん住みにくい国になっています。…中略…『ノモンハン』が続いているのでしょう」と応じていました(「ノモンハンの尻尾」『東と西』朝日文庫)。

敗戦から70年経った現在、自民党と公明党の議員は再び「沈黙を強いられた羊」と化してしまったかのように感じます。

兵器や原発を外国に売り込むことで目先の利益を挙げようとする日本の一部の大企業と、アフガニスタンや中東地域に派遣する兵士の足りなくなったアメリカ軍の要請に応じて行われた今回の「強行採決」は、憲政史上の一大汚点として記憶されるでしょう。

「憲法」を無視した形で可決された違法な「安保法案」は廃案に追い込みましょう。

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冒頭のチラシは知人のH氏のメールに添付されていた作家の澤地久枝さんからの「~~日本中に拡散をお願いします!~~」というご依頼とともに届いたものです

7月18日(土)午後1時きっかり

同じポスターを全国一斉にかかげよう

 との文面も添えられていましたが、委員会に続いて衆院の本会議でも「安全保障関連法案」が「強行採決」されましたので、本日掲げることにしました。

 追記:自民党では以前から「法案は違憲だ」として反対を表明していた村上誠一郎議員と元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝議員が本会議を欠席していたことが判明しました。他の与党の議員も勇気ある行動に踏み切ることを願っています。

 

強行採決への抗議声明を出した主な団体(15日)

時間が少しさかのぼりますが、「朝日新聞」デジタル版の情報によれば(2015年7月16日00時23分)、原水爆被害者の団体を始め、法律、宗教、報道、作家、医療、環境に関わる下記の団体が早速、強行採決への抗議声明を出していたことが判明しました。

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)

公益社団法人自由人権協会

立憲デモクラシーの会

真宗大谷派(東本願寺)

日本カトリック正義と平和協議会

日本ジャーナリスト会議

日本マスコミ文化情報労組会議

日本民間放送労働組合連合会(民放労連)

日本ペンクラブ

日本医療労働組合連合会(医労連)

環境NGO「グリーンピース・ジャパン」

 

「新国立競技場の建設計画」の見直しと「安全保障関連法案」の廃案

特別委員会で採決された15日、「東京新聞」のデジタル版によれば、国会前には参加団体の発表で入れ替わりも含め10万人が集り、「強行採決徹底糾弾」の大合唱が響き、「国民なめんな」や「安倍政権を辞めさせよう」との呼び掛けに大歓声が起きたとのことです。

注目したいのは、ほぼ同じ頃(2015年7月16日 00時18分)に、政府が世論の強い批判を受けて、「2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設計画を見直す方針を固めた」ことも報じられていたことです。

「争点」を隠蔽して経済の問題を前面に出すことで総選挙に勝って多数の議席を得、そのあとで初めて本丸である「安全保障関連法案」を持ち出して強行採決した安倍首相の手法は、「新国立競技場の建設計画」以上に、いかがわしいものです。

「国民の生命」がかかわるこの問題をきちんと議論するためにも「世論の批判」を強めて、「安全保障関連法案」の廃案も勝ち取りましょう。

「日本ペンクラブ声明」を転載

日本ペンクラブが下記の声明を発表しましたので、転載します。

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日本ペンクラブは、本日、衆議院特別委員会で強行採決された、安全保障法案に強く抗議し、全ての廃案を求める。

集団的自衛権の行使が日本国憲法に違反することは自明である。私たちは、戦争にあくまでも反対する。

2015年7月15日

一般社団法人日本ペンクラブ

会長 浅田次郎

 

安倍政権の経済感覚――三代目の「ボンボン」に金庫を任せて大丈夫か

残念ながら、先ほど安倍政権が「安全保障関連法案」を、多くの「国民」が反対や慎重審議の声を上げ、与党議員からもまだ説明が足りないとの声が出ており、さらに安倍首相自身が「理解進んでいない」と認めたにもかかわらず、衆院特別委で与党が単独で「強行採決」したとのニュースが届きました。

ただ、まだ「国民の声」を封殺してでも己の「野望」を遂げようとする安倍首相の独裁的な手法に対して与党の議員が「No」の声を上げて、この法案が衆議院で否決される可能性も数字としては残されていますので、この問題については後日に論じることにします。

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今日の「東京新聞」朝刊は、米政府が「新型輸送機オスプレイ17機を日本に売却する計画のうち、第1陣として5機を3億3250万ドル(約410億円)で売却することを決めた」ことを報じたロイター通信の記事を伝えています。

「米政府がオスプレイを外国に供与した例はなく、日本が初めての輸出先となる」とのことですが、17機を購入すると総額は1394億円にもなるのです

7月14日のブログ記事では、新しい国立競技場を当初よりおよそ900億円多い2520億円をかけて建設しようとする計画に納得できるかとのNHKの世論調査では、「納得できる」と答えた人はわずか13%で、「納得できない」と答えた人は81%にのぼることが発表されたことに言及しました。

国立競技場の問題については、計画のずさんさだけでなく、その裏にある「利権構造」にも鋭く切り込む記事も出始めていますが、1394億もの国民の税金で危険とされている「オスプレイ」の購入を簡単に決めるような安倍政権の金銭感覚にも驚かされます。

2014年5月に財務省は、国債や借入金を合わせた「国の借金」が2013年度末で過去最大の1024兆9568億円となったと発表していました。

素人の目から見ると、「争点」を隠した選挙に勝利したことで「国民の金庫」を手に入れた安倍政権は、威勢の良い「スローガン」で取り繕いながら、金庫に手を突っ込んで浪費している金銭感覚のない三代目の「ボンボン」のようにさえ見えるのです。

 単純に一機あたりの単価を17倍するとそうなるのですが、なぜか米国防総省の国防安全保障協力局によると、関連装備も含めると総計で約3600億円にもふくれあがるとのことです。

宮崎駿監督の「安全保障関連法案」批判――「軍事力」重視の政策

 

「争点」を隠蔽して獲得した議席数を背景にして、安倍政権が強引な政権運営を行っていることには激しい怒りとともに強い焦りも感じていますが、そんな中で頼もしく感じるのは学者だけでなく、著名人の方が次々と「安全保障関連法案」反対の声を上げていることです。

たとえば、外国特派員協会所属の記者との会見で、「辺野古基金」の共同代表も務めるアニメ映画監督の宮崎駿氏は次のように語っていました(7月14日「東京新聞」朝刊)。

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「軍事力で中国の膨張を抑えるのは無理な話。もっと違う方法を考えないと。そのために私たちは平和憲法をつくった」と語った監督は、「憲法は占領下の産物ではないか」との問いに対しては次のようにと説明したのです。

「十五年戦争の結果、三百万人を超す同胞の生命が失われた。そこに差し込んだ光が平和憲法だった。それは(第一次世界大戦後に各国が締結した)不戦条約の精神を引き継いだもので、決して押し付けと見られるものでない」。

さらに、「安全保障関連法案」を強行採決しようとしている安倍晋三首相に対して監督は、「自分は憲法解釈を変えた男として歴史に残りたいのだろうが、愚劣なことだ」と強く批判していました(太字は引用者)。

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宮崎監督はここで「愚劣なことだ」という非常にきつい表現を用いていますが、このとき監督は祖父・岸信介元首相の歴史観や「核政策」を高く評価した安倍首相が21世紀に入った現在、19世紀的な「軍事力」重視の政策を行おうとしていることを批判しているのでしょう。

岸政権の「政策」を受け継ぎ、強化しようとしている安倍政権が強行採決しようとしているこの法案と安倍政権の「核政策」とのかかわりについては、〈安全保障関連法案」の危険性(2)――岸・安倍政権の「核政策〉と題した7月7日のブログ記事で詳しく考察しました。

岸・安倍政権の「核政策」の問題は、日本だけでなく世界の平和にとっても非常に重要なので、これからも分析を続けていきたいと考えています。

自民党と公明党は「国民の声」に耳を傾けよ

自民党の谷垣禎一幹事長は党役員会で「安全保障関連法案」について、「きょう中央公聴会をやり、審議時間も積み重なってきた」と語り、15日に採決を行う方針を示したとのことです。

しかし、「安全保障関連法案」は一本の法案ではなく、「国際平和支援法」と10本の戦争関連法をまとめたものであり、そのことを考慮するならばこの法案の審議には、これまでの法案の10倍の時間をかけなければならないことは明白でしょう。

ここのところ安倍政権の広報と化している観のあるNHKも、最近の世論調査では、「安全保障関連法案」を「大いに評価する人」が8%なのに対して、「まったく評価しない人」がその4倍近い30%であったと発表しました。「ある程度評価する人」が24%なのに対して、「あまり評価しない人」もその数を大幅に上回る31%とのことです。

 新しい国立競技場を、当初よりおよそ900億円多い2520億円をかけて建設する計画に納得できるかとの世論調査でも、「納得できる」と答えた人はわずか13%で、「納得できない」と答えた人は81%にのぼることも発表されました。

「国民の声」を無視して国立競技場の建設を強行し、「安全保障関連法案」の強行採決に踏み切ろうとする安倍内閣を、「自由と民主」を党是とする自民党と「平和」を強調する公明党の良識ある議員は、即刻、退陣させるべきでしょう。

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この危険な法案に反対する『安全保障関連法案に反対する学者の会』のアピールへの賛同者(学者・研究者)の人数は、7月14日9時00分現在で9766人に達しました。

リンク→http://anti-security-related-bill.jp

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YouTubeの【あかりちゃん】ヒゲの隊長に教えてあげてみたは、この法案を「情念」的な言葉で「分かりやすく解説」した自民党の「教えて!ヒゲの隊長」の説明を分かりやすく批判しています。