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2016年を振り返って――『ゴジラの哀しみ』の構想をめぐって

2016年を振り返って――『ゴジラの哀しみ』の構想をめぐって

今年も残り少なくなってきました。

先ほどは、「無敵皇軍」「八紘一宇」「王道楽土」「五族共存」などの「美しいスローガン」を繰り返して、国民を戦争に駆り立てていた戦前の価値観を取り戻そうとして「改憲」を目指す安倍首相の2016年の発言集という説明とともに「リテラ」の記事をリツイートしました。→ http://lite-ra.com/2016/12/post-2811.html … @litera_webさんから

ここでは発行までに約1年を費やした『ゴジラの哀しみ――映画《ゴジラ》から映画《永遠の0(ゼロ)》へ』の構想を記したツイッター記事をとおして今年6月の出来事を振り返っておきます。

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6月19日

ほとんどが「日本会議」のお仲間からなる内閣を率いる安倍首相のめざす「改憲」は、「専制的」で「反憲法」の色彩が強い内容になる危険性が高い。→ 安倍首相「次の国会から改憲議論」 参院選後 具体的に条文審査:政治(TOKYO Web) http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016062090070558.html …

6月20日

国民に背を向けて権力者の圧力に屈するNHKに強い危機感を覚える。→「チェルノブイリ原発事故 隠された“真実”」の感想、stakaha.com/?p=6033lite-ra.com/2016/06/post-2… @litera_webさんから

6月21日

「天災のことを考えたら我々は仕事が出来ません」と語っていた田中委員長の発言を振り返っておく。→原子力規制委・田中委員長の発言と安倍政権――無責任体質の復活(6) | 高橋誠一郎 公式ホームページ stakaha.com/?p=4813

6月21日

近著『ゴジラの哀しみ――映画《ゴジラ》から映画《永遠の0(ゼロ)》へ』のお知らせ。原爆と原発の問題や歴史認識など安倍政権の問題点を可視化して考察。stakaha.com/?p=6110 (図版は露語版「ウィキペディア」) pic.twitter.com/uNsZBnxHLP

6月24日

筆者は映画の素人に過ぎないが、原発の大事故が描かれている黒澤映画《夢》の第六話「赤富士」を考察するなかで、この映画にも監督補佐として参加していた本多猪四郎監督の映画《ゴジラ》をきちんと考察する必要性を感じた。

〔註――「映画《夢》が公開されたのは一九九〇年のことであったが、脚本の第一稿が書き上げられたのはチェルノブイリ原発事故が起きた一九八六年のことであった」(拙著『ゴジラの哀しみ』)より〕。

2) 一九七五年に公開された映画《メカゴジラの逆襲》を最後に本多監督が東宝から去ったことは、「先端技術をスマートに駆使して敵を撃破退する“格好いい”自衛隊」が描かれるようになる「ゴジラ」映画の変貌も示唆しているだろう。

3)一方、映画《ゴジラ》の翌年に公開された黒澤映画《生きものの記録》は、興行的には大失敗に終わったが、『モスラの精神史』で指摘されているように、この映画が映画《モスラ》とアニメ映画《風の谷のナウシカ》を繋いでいる可能性が高い。

4)初代のゴジラがスクリーンに姿を現したのは、日本国憲法が公布されたのと同じ一一月三日のことであったが、このことは宮崎駿監督が小説『永遠の0(ゼロ)』の映画化を「神話の捏造」と厳しく批判した理由を考える上でも重要だろう。

5)小林節氏が指摘しているように「法治国家の原則が失われており、専制政治の状態に近づいている」現在、本書では映画《ゴジラ》などの考察をとおして原爆や原発だけでなく、「日本会議」的な歴史認識の危険性にも迫りたい。

6月24日

「安全保障関連法」が、「戦争法」であったことを裏付けるエンブレムです。→キャンペーン「陸上自衛隊に新エンブレムの撤回を求めます!」 に賛同をお願いします!

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〈陸自が、これまでの「国土防衛マーク」を捨てて、日本刀の「抜き身」をエンブレムに登場させました。「帝国陸軍軍人」が帯刀していたこと、それが飾り物ではなく実際に殺戮のために振るわれたことを記憶しているアジアの国々では戦前の「亡霊」が現れたと受け止めるでしょう〉。

(2017年7月11日、一部訂正)

 

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