高橋誠一郎 公式ホームページ

リチャード・ピース 著、池田和彦訳、高橋誠一郎編『ドストエフスキイ「地下室の手記」を読む』(のべる出版企画、2006年)を、「著書・共著」に掲載しました

リチャード・ピース 著、池田和彦訳、高橋誠一郎編『ドストエフスキイ「地下室の手記」を読む』(のべる出版企画、2006年)を、「著書・共著」に掲載しました

標記の著書や著者のピース氏については、「研究(活動)」のページに「『地下室の手記』の現代性――後書きにかえて」と題した文章でふれていましたが、今回、「著書・共著」のページに「日本の読者の皆様へ」という著者からのメッセージの抜粋と、「目次」を掲載しました。

最初はこの著書を紹介した後で、ピース・ブリストル大学教授との面識を得るきっかけとなった1989年のリュブリャーナでの国際ドストエフスキー・シンポジウムの報告を、「研究(活動)」のページに載せる予定でした。

しかし、汚染水の状況が本当に危険な事態となっているようなので国際学会の報告記事は次回に回すことにしますが、ここでは日本ではあまり重視されていないドストエフスキー作品の哲学的な面に注意を促したピース氏が、『地下室の手記』の主人公を単なる「逆説家」ではなく、近代西欧思想の「功利主義」や19世紀の「グローバリゼーション」のきわめて鋭い批判者であったと記していることを指摘しておきます。

つまり、『地下室の手記』という作品は福島第一原子力発電所の事故も収束し得ない状態で、危険な原発を外国にも輸出しようとしている安倍政権の近代西欧的な思考法とオプチミズムの危険性をも暴露しているといえるでしょう。

 

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です