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総選挙と「争点」の隠蔽

総選挙と「争点」の隠蔽

年末が近づく中、衆議院が解散されて12月14日に総選挙が行われることになりましたが、昨日の「東京新聞」朝刊の第2面には、「秘密法・集団的自衛権」は、「争点にならず」とした菅官房長官の会見の短い記事が掲載されていました。

「菅義偉官房長官は19日の記者会見で、集団的自衛権の行使容認に踏み切った7月の閣議決定や、12月10日に施行される特定秘密保護法の是非は次期衆院選の争点にはならないとの認識を示した。/ 集団的自衛権行使に関し「自民党は既に憲法改正を国政選挙の公約にしており(信を問う)必要はない。限定容認は現行憲法の解釈の範囲だ」と強調した。秘密保護法についても「いちいち信を問うべきではない」と指摘した。/ 同時に「何で信を問うのかは政権が決める。安倍晋三首相はアベノミクスが国民にとって最も大事な問題だと判断した」と述べた。

この発言からは「汚染水」の問題が深刻な問題となっていたにもかかわらず、その事実が隠されたままで行われた昨年7月の参議院議員選挙のことが思い起こさせられます

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安倍首相は国際社会にむけて「汚染水」の問題は「アンダーコントロール」であると宣言することで国民にも安全性を訴えていましたが、今朝の「東京新聞」には以前から指摘されていた「汚染水の凍結止水」という方法が無理だということが判明し、東京電力が新たな方法を模索し始めたという記事が載っています。

この汚染水の問題だけでなく、十分な国民的議論もなく安倍政権が強引な手法で進めている「特定秘密保護法」や「集団的自衛権」と「憲法」と教育の問題、さらには公約を破って交渉が進められているTPPの問題などは、いずれも「国民の生命や財産」や国際情勢、さらには地球環境にかかわる重要な問題です。

私は原発事故の重大さを「隠蔽」したままで原発の推進などを行っている安倍政権と、「国民」には重要な情報を知らせずに戦争の拡大に踏み切った第二次世界大戦時の参謀本部との類似性を感じており、このままでは経済の破綻や大事故が起きた後で、国民がようやく事実を知ることになる危険性が大きいと思っています。

原稿などに追われているこの時期にブログ記事を書くのはつらいのですが、なにも発言しないことは文学者として責任を欠くことになりますので、これまでのブログ記事も引用しながら、何回かに分けて以下の問題について私見を記すことにします。

安倍政権と「報道」の問題/アベノミクス(経済至上主義)と汚染水の問題/「特定秘密保護法」と原発事故の「隠蔽」/「集団的自衛権」と「カミカゼ」の問題/「憲法」と教育の重要性(仮題)

   11月22日、〈安倍政権の政策と「争点」の隠蔽〉より改題

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