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井上ひさしのドストエフスキー観――『貧しき人々』を中心に

井上ひさしのドストエフスキー観――『貧しき人々』を中心に

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」(井上ひさし、雑誌「the座」、1989年)。

「正教・専制・国民性」の 三原則の厳守が求められ、 「祭政一致 」 の政策が行われて、違反者は厳しく罰せられたニコライ1世 の時代に書かれたドストエフスキーのデビュー作『貧しき人々』。

 劇作家の井上ひさしは『貧しき人々』を「あれは最高ですね、何ともいえないですね、あれはもう僕にとってですけど、世界の文学のトップですね、あんないい小説ないですね」と高く評価し、「あれが僕の妙な部分を作っていると思いますね」と語っていた。

 「天皇機関説」事件の後では、柔らかい「祭政一致」の政策が行われた昭和初期の時代について、 浅川金刀比羅神社の宮司・奥田靖二氏は「神道は戦前、国策に協力というよりは、共犯者になり、戦争をすすめてきました」と語り、今も「神社本庁」の傘下にある神社の危険性を指摘している。

 この勇気ある言葉を紹介したツイートの後で、
やさしい言葉で「国家神道」危険性を真正面から論じた戯曲『闇に咲く花――愛敬稲荷神社物語』について書いたツイートから始まるスレッドを再する。

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