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『「竜馬」という日本人――司馬遼太郎が描いたこと』(人文書館)の紹介を『出版ニュース』「ブックガイド」をより転載

『「竜馬」という日本人――司馬遼太郎が描いたこと』(人文書館)の紹介を『出版ニュース』「ブックガイド」をより転載

『出版ニュース』(2010年1月下旬号「ブックガイド」)に拙著の紹介が掲載されていました。たいへん遅くなりましたが、ここでは人文書館のホームページより、見出しとともに転載致します。

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比較文明論的な視座から詳しく読み解く!

〈幕末において「ただ一人の日本人」であると自覚することになる「竜馬」の成長をとおして「日本人」の在り方を深く考察した『竜馬がゆく』を、比較文明論的な視座から詳しく読み解く〉。

司馬遼太郎は『竜馬がゆく』で何を描こうとしたのか、さらにはグローバリズムの意味を問い、転換期といわれる今日に竜馬があらためて注目されるのは何故なのか。1949年生まれ(団塊の世代)の著者が、比較文明学者の立場でこの作品の構造に挑む。

ここでは、幕末の時代背景を「黒船」というグローバリズムの観点で捉え、竜馬という「日本人」の誕生を浮き彫りにしてみせる。竜馬にとっての思想、革命、新しい公・日本のイメージを通して、維新に向かう人間群像が見えてくる。このことは、司馬の歴史観すなわち近代日本のあり方、評価に関わってくるし、この国の「かたち」にこだわった作家・司馬遼太郎を論じる上で不可欠の考察といえよう。

(『出版ニュース』 2010年1月下旬号「ブックガイド」より)

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なお、『出版ニュース』では拙著『「罪と罰」を読む――〈知〉の危機とドストエフスキー』(刀水書房、1996年)以降、『黒澤明と小林秀雄――「罪と罰」をめぐる静かなる決闘』(成文社、2014年)に至る私のドストエフスキー研究の歩みと深まりもきちんと紹介されていたので、それらも順次、転載させて頂くようにします。

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