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ジャーナリスト・後藤健二氏殺害の報に接して

ジャーナリスト・後藤健二氏殺害の報に接して

 

「戦争の悲惨さ」を伝えようとしていた勇気あるフリージャーナリスト・後藤健二さん殺害の報道に接し、強い怒りと深い哀しみを感じています。

この場を借りて、ご遺族と関係者の方々に謹んで哀悼の意を表します。

 

追記:

本日の「東京新聞」夕刊に大きな写真とともに後藤氏の活動が伝えられていましたので、デジタル版からその記事と写真を転載します。

「無二の命、人権 言動で伝え続け 後藤さん、全国で講演」

無題

玉川聖学院の中学3年生に特別授業をする後藤健二さん=2012年5月、東京都世田谷区で(同校提供)

「小さな心と身体(からだ)に、背負いきれないほどの大きな重荷を背負わせてしまう-それが『戦争』」。後藤健二さんは、紛争地域の取材を続け、命や子どもたちの人権の大切さを訴えるメッセージを送ってきた。その言葉は、各地で後藤さんと接してきた人たちの心に深く刻み込まれている。

後藤さんは「日本の子どもたちも世界の子どもたちも、平等で同じ権利を持っています」などとツイッターやブログに記し、全国で講演活動を行ってきた。

千葉県袖ケ浦市の公民館で二〇一一年九月に開かれた市民講座を担当した簑島正広・同市立中央図書館長(58)は、後藤さんの言葉をよく覚えている。

「世界で一番大切なものは人権です」。後藤さんは、紛争地域で人権が守られず苦しむ人たちがいることを力説した。簑島さんは「宗教や文化、言葉、歴史などを十分理解して付き合っていくことが大事とも話されていた」と振り返った。

大正大(東京都豊島区)では、後藤さんが一〇年から四回の講義を行い、「子どもの権利をどう守るかを考えていかなくてはいけない」と語った。

同大人間学部の落合崇志(たかゆき)教授(58)は「いつの時代、どの国でも紛争や貧困の犠牲になるのは子どもたちということを学生たちに知ってほしいという思いが伝わってきた」と話した。

長崎市の児童養護施設「明星園」では、後藤さんが一〇年秋に宿泊し、子どもたちと交流した。

奥貫賢治園長(66)は「『厳しい環境にいる世界の子どもたちのことを知ってもらいたい』と話した後藤さんの言葉が印象に残っている。その言葉を受け継ぎ、世界の紛争や貧困の問題を考えていきたい」という。

ミッション系の女子中高一貫校、玉川聖学院(世田谷区)では〇五年から毎年五月、中学三年生に平和に関する特別授業を行ってきた。

同校は二日、ホームページでこう記した。「後藤さんが私たちに伝えてくださったメッセージは、どんなに悲惨な現実があったとしても、怒りや憎悪を膨らませるのではなく、事実を事実として見極めることであり、その中から自分の置かれた場で、平和への道筋を探り出す努力をすることの大切さでした。今、あらためてその意味を問い直したいと思います」

追記2:

自民党の高村正彦副総裁は4日午前、フリージャーナリスト後藤健二さんの行動について「勇気ではなく、蛮勇と言わざるを得ない」と記者団に語ったとのことですが、「東京新聞」は2月8日朝刊で、「世界食糧計画」のカズン事務局長が「ケンジは飢餓との闘いにおける盟友だった」と讃えたことを伝える記事を掲載しています。

「積極的平和主義」を掲げる日本政府としては、「イスラム国」と称する国がなぜイラク戦争後に生まれたのかや、「勇気の必要が無い」無人攻撃機による「誤爆や巻き添えによる民間人の犠牲者」の問題も検証すべきでしょう。

「謹んで深い哀悼の意を表します」より改題(2月8日)

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