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「特定秘密保護法案に反対する学者の会」に賛同の署名を送りました

「特定秘密保護法案に反対する学者の会」に賛同の署名を送りました

 

先ほど、「特定秘密保護法案に反対する学者の会」に賛同の署名を送りました。

「テロ」の対策を目的とうたったこの法案は、諸外国の法律と比較すると国内の権力者や官僚が決定した情報の問題を「隠蔽」する性質が強く、「官僚の、官僚による、官僚と権力者のための法案」とでも名付けるべきものであることが明らかになってきています。

それゆえ私は、この法案は21世紀の日本を「明治憲法が発布される以前の状態に引き戻す」ものだと考えています。

  

本来ならば、私が理事を務めている学会などに緊急の動議として提出し、反対の決議をして頂きたいのですが(この記事の公表はその提案も含んでいます)、時間がないので、まずは個々の会員の方に賛同を呼びかけます。

以下に、その声明文のコピーなどを掲載します。(現時点では、「東京新聞」「朝日新聞」「毎日新聞」などがこの記事を取り上げている事が報告されています)。

   *   *   *

 国会で審議中の特定秘密保護法案は、憲法の定める基本的人権と平和主義を脅かす立法であり、ただちに廃案とすべきです。
 特定秘密保護法は、指定される「特定秘密」の範囲が政府の裁量で際限なく広がる危険性を残しており、指定された秘密情報を提供した者にも取得した者にも過度の重罰を科すことを規定しています。この法律が成立すれば、市民の知る権利は大幅に制限され、国会の国政調査権が制約され、取材・報道の自由、表現・出版の自由、学問の自由など、基本的人権が著しく侵害される危険があります。さらに秘密情報を取り扱う者に対する適性評価制度の導入は、プライバシーの侵害をひきおこしかねません。
 民主政治は市民の厳粛な信託によるものであり、情報の開示は、民主的な意思決定の前提です。特定秘密保護法案は、この民主主義原則に反するものであり、市民の目と耳をふさぎ秘密に覆われた国、「秘密国家」への道を開くものと言わざるをえません。さまざまな政党や政治勢力、内外の報道機関、そして広く市民の間に批判が広がっているにもかかわらず、何が何でも特定秘密保護法を成立させようとする与党の政治姿勢は、思想の自由と報道の自由を奪って戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつとさせます。
 さらに、特定秘密保護法は国の統一的な文書管理原則に打撃を与えるおそれがあります。公文書管理の基本ルールを定めた公文書管理法が2009年に施行され、現在では行政機関における文書作成義務が明確にされ、行政文書ファイル管理簿への記載も義務づけられて、国が行った政策決定の是非を現在および将来の市民が検証できるようになりました。特定秘密保護法はこのような動きに逆行するものです。
 いったい今なぜ特定秘密保護法を性急に立法する必要があるのか、安倍首相は説得力ある説明を行っていません。外交・安全保障等にかんして、短期的・限定的に一定の秘密が存在することを私たちも必ずしも否定しません。しかし、それは恣意的な運用を妨げる十分な担保や、しかるべき期間を経れば情報がすべて開示される制度を前提とした上のことです。行政府の行動に対して、議会や行政府から独立した第三者機関の監視体制が確立することも必要です。困難な時代であればこそ、報道の自由と思想表現の自由、学問研究の自由を守ることが必須であることを訴えたいと思います。そして私たちは学問と良識の名において、「秘密国家」・「軍事国家」への道を開く特定秘密保護法案に反対し、衆議院での強行採決に抗議するとともに、ただちに廃案にすることを求めます。
 
2013年11月28日

 

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