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「安全保障関連法案」の危険性(3)――「見切り発車」という手法

「安全保障関連法案」の危険性(3)――「見切り発車」という手法

本日(7月10日)の「東京新聞」朝刊の一面は、「新国立契約、見切り発車 資材発注 大成建設と33億円」という題名で、「二千五百億円を超える巨額な工事費が問題となっている、二〇二〇年東京五輪・パラリンピック大会の主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の建設」が、巨額の税金を払うことになる「国民」や「都民」への詳しい説明もないままに、大成建設への「資材の発注」を行ったことを大きく報じています。

さらに、第27面の記事では「このままではモラルハザード」になるという危惧や、この巨額な予算は「福島避難者の住宅支援」などに生かすべきだとの意見とともに、「元の建物」いち早く壊したやり方に対する批判も紹介されています。

この記事から感じられたのは、ラグビーのW杯の日程にあわせた「新国立契約、見切り発車」と「アメリカの議会」への「約束」をたてにして「国民」への納得できる説明もなく、今月の中旬には危険な「安全保障関連法案」を強行採決して「見切り発車」させようとする安倍政権の手法の類似性です。

こうした三代目の「ボンボン」のような「放漫経営」的な手法を行っても、福島第一原子力発電所事故の場合でよく分かるように、政治家自身は責任を負うことはありません。その巨額のツケを後で払わされることになるのは、私たちや子や孫など「国民」なのです。

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記者会見で菅官房長官が「ただ、いつまでもだらだらと続けることでなく、やはり決めるところは決めるということも、一つの責任だと思う」と語ったのに続いて、麻生太郎・副総理が派閥の会合のあいさつで「平和安全法制、ほぼ審議が尽くされた。与野党で十分な時間をかけて審議をしていただいたんだと思う。そろそろ結論を出して、衆院としての結論を出さなければならん時期にきている。/少なくとも我々は、多くの信を得て昨年の12月に当選した。信認を得て、多くの議席を得たという確信を持って、間違いなく我々はやってきた」と語ったことも伝えられています。

しかし、昨年の総選挙の際の安倍首相の横顔が印刷された自民党のポスターに記されていたのは、「景気回復、この道しかない。」というスローガンで、「安全保障関連法案」の問題はまだ提起されてもいなかったはずです。

リンク→「欲しがりません勝つまでは」と「景気回復、この道しかない。」12月5日)

「安全保障関連法案」の問題については、今月4日に衆議院憲法審査会で行われた参考人質疑では、野党推薦の2人の憲法学者だけでなく、与党が推薦した学者も含めて3人の参考人全員によって、安倍政権による「新たな安全保障関連法案」は「憲法違反」との見解が示されたことで明らかになりました。

リンク→衆議院憲法審査会の見解と安倍政権の「無法性」

この危険な法案に反対する『安全保障関連法案に反対する学者の会』のアピールへの賛同者(学者・研究者)の人数は、7月10日9時00分現在で9175人に達しました。

本日(7月10日)の15時からは中野晃一・上智大学教授、大沢真理・東京大学教授、佐藤学・学習院大学教授の記者会見が日本外国特派員協会で行われるとのことです

リンク→http://anti-security-related-bill.jp

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  YouTubeの【あかりちゃん】ヒゲの隊長に教えてあげてみたは、この法案を「情念」的な言葉で「分かりやすく解説」した自民党の「教えて!ヒゲの隊長」の説明を分かりやすく批判しています。

この二つを比較してみると「安全保障関連法案」の問題点がよく分かるでしょう。

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