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加藤拓川

講座 「新聞記者・正岡子規と夏目漱石――『坂の上の雲』をとおして」

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講座 「新聞記者・正岡子規と夏目漱石――『坂の上の雲』をとおして」

 

正岡子規の死去の報にロンドンで接して「筒袖や秋の柩にしたがわず」などの句を手向けた漱石は、帰国後には子規が創刊した『ホトトギス』に『吾輩は猫である』を連載した。

本講座では、寄宿舎を追放になった子規が東京帝国大学を退学して新聞記者となる頃から、日清戦争に際して従軍記者となるが病を得て保養していた故郷の松山で、漱石の借りていた下宿の一階で句会を開いた時期に焦点をあてて『坂の上の雲』を読み解く。

明治8年に発布された「新聞紙条例」がその後の日本に及ぼした影響や子規の叔父・加藤拓川と新聞『日本』の(くが)羯南(かつなん)との交友にも注意を払うことで、新聞記者・子規の活動の現代的な意義を明らかにしたい。 

*   *   *

 

文献と主な参考文献

司馬遼太郎『坂の上の雲』(文春文庫、全8巻)。

ただ、長篇なので各巻の子規に関わる*のマークを付けた章に目をとおしておいて頂ければ分かり易いと思われます。

 第1巻: *「春や昔」、*「真之」、*「騎兵」、*「七変人」,*「海軍兵学校」,「馬」,*「ほととぎす」,「軍艦」

第2巻: *「日清戦争」、*「根岸」、「威海衛」、*「須磨の灯」、*「渡米」、「米西戦争」、*「子規庵」、「列強」

第3巻*「十七夜」  // 第8巻 *「雨の坂」

  

主な参考文献

1,坪内稔典『正岡子規の〈楽しむ力〉』NHK出版、2009年。

2,中村文雄『漱石と子規、漱石と修――大逆事件をめぐって』和泉書院、2002年。

3,末延芳晴『正岡子規、従軍す』平凡社、2011年。

4,高橋誠一郎『司馬遼太郎とロシア』ユーラシア・ブックレット、東洋書店、2010年。

5,高橋誠一郎「司馬遼太郎の夏目漱石観」(日本ペンクラブ、電子文藝館)は、インターネットで公開。